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辞書編集者から見た『舟を編む』

三浦しをん『舟を編む』、辞書編集部を舞台にした長編小説とあっては読まずにはいられないではないか。しかもかなり売れているらしく、今日買い物のついでに寄ったブックファースト新宿店では4位だった(店舗全体なのかフロアなのか文芸部門なのかは見なかっ…

東京駅構内の書店

三省堂書店からクラブ三省堂の会員向けに葉書がきていた。登録住所を変更していなかったので、前の住所からの転送だったのだが、東京駅一番街店が今日オープンらしい。以前は栄松堂書店が入っていたのだが、空犬通信という書店情報に詳しいブログによると、1…

講談社の動く図鑑MOVE

次男の誕生日に買い与えたのが『講談社の動く図鑑MOVE 恐竜』。 恐竜の図鑑は、2000年に出た学研の大型図鑑や小学館のネオポケットという小型版も持っているし、恐竜博の図録も2005,2006,2011と持っているんだけど、夏の旅行のときに書店で見かけたこの図…

流離譚

安岡章太郎『流離譚』(上・下)は、講談社文芸文庫から出ていたが、一度書店で見かけたのに荷物が重かったので買わないでいたら、いつのまにかカタログから消えていた。先日図書館に行ったときに発見したので借りてきて、今日読み終えて返却。 亡父の蔵書の…

アパート経営はするな!

標題のタイトルの本を買ったのは7月か、8月上旬だったかな。3月の震災後の状況を反映した不動産投資指南本はあるのだろうかと思って探していたら行き当たったのがこれ。これからは入居者を確保するのに今までよりもお金がかかるようになるから、不動産投資は…

現代アートを買おう!

昨今の経済情勢ではなかなか普通の金融商品への投資には踏み出せない、という人にお勧めできるオルタナティヴ投資は何かな、と考えていて、亡父の成功体験から思いついたのがアート。 そういえば新書でそれっぽいのがあったはず、と思って手に取ったのが集英…

ヒットメーカーの寿命

賞味期限についてこのところよく考える。村上春樹が翻訳について語るときによく持ち出すあれのことである。耐用年数という表現だったか? 紀伊國屋書店の本棚で見かけた2009年1月1日(奥付)刊行の『ヒットメーカーの寿命』を買ったときに頭にあったのもその…

悩ましい翻訳語

科学分野の翻訳家/フリージャーナリストの垂水雄二氏のエッセイ。科学用語で日本語に定着した訳語のうち、原語の意味から離れてしまっているもの(要するに誤訳)などを検討している。概念や事物自体がもともと日本に存在しないものを言葉として造り出す際…

外国語を身につけるための日本語レッスン

三森ゆりか著、白水社から2003年刊。内容が簡潔にタイトルとして凝縮されている。素晴らしい。中身も当然充実している。僕の持っているのは11刷。 以下、抜き書きと内容のメモ。 外国語を学ぶ際には、最初に基本的な文の構文に着目すると、その言語を操る人…

30代からはじめる投資信託選びでいちばん知りたいこと

40代半ばなのでもう遅いかなと思ったけど、編集担当の方にTwitterで訊いてみたら長期投資を考えているなら当然役に立つはず、ということだったので(考えてみれば当たり前)、モーニングスター(株)代表取締役の朝倉智也氏が書いた本を買ってみた。30代で金…

フランス生まれのブロックメモRHODIA

新しめのデジタルガジェットとからめて情報整理術を手早く解説する感じの本、最近たくさん出ていて、なぜかまめに買ってる。自分でもいい加減にしろと思いつつまた買ってしまったのが戸田覚著『フランス生まれのブロックメモRHODIA』(ソシム)。フランスの…

逃亡のガルヴェストン

表紙のイラストと「ガルヴェストン」という地名に惹かれるものがあって買ったハヤカワポケットミステリ。ガルヴェストンはテキサス州のメキシコ湾岸にある町。帯には「〈ポケミス新世代作家〉連続刊行第3弾」と書いてある。 主人公は取り立て屋でボスにはめ…

痛い腰・ヒザ・肩は動いて治せ

昨晩、風呂に入っていて子供を湯船から洗い場に出そうと持ち上げようとした瞬間、腰に痛みが爆発した。ぎっくり腰である。一昨年の9月、父の納骨の際に墓石を動かそうとしたときに感じて以来、2回目ということになろうか。その時はわりと軽かったのか、我慢…

トップ・レフト

東京でも足立区のベンチで放射能管理区域なみの放射性物質が検出されたとかいう話を見て、この天気のせいもあるけどまたしてもどよーんとした気分に。 さて、黒木亮の著作をちょこちょこ買い集めては解体・スキャンしているが、デビュー作の『トップ・レフト…

日本人なら必ず誤訳する英文

2009年2月に出て、最近『〜必ず悪訳する英文』なる続編まで出たベストセラー。 しかしこれ中身はそんなにいいかなあ。ほぼタイトルと著者(売れっ子翻訳家)で売れてるような気がする。書いてある内容は目新しいものじゃなくて辞書や参考書には載っているレ…

コトラーのマーケティング3.0

以前の勤め先では昇格試験があって(それはまあ普通か)、課題図書が配付されてその理解度を試されたりするのであった。「マーケティングの神様」フィリップ・コトラーの名前もその課題図書の一つの著者として初めて知ったんだけど、まさか自分で買って読む…

「情報創造」の技術

光文社新書の三浦展『「情報創造」の技術』なかなかおもしろかった。読んだのはだいぶ前だけど、自分で付箋を貼った箇所をメモしておく。 第1章 情報創造はなぜ必要か? pp. 42-43 『アクロス』編集長時代、スタッフに企画を出させるため、1人10本の企画を出…

ユーロ連鎖不況

PHP新書の中空麻奈『ユーロ連鎖不況』。ギリシャ、アイルランドの危機からの連想で、巨額の財政赤字を抱える日本が危ないという本。まあ確かに危ないんだろうけど、ユーロ圏からすぐに飛び火するという論調にはわりと個人的に疑問が。 本としては、編集にあ…

ブラインド・サイド

今は武田ランダムハウスという、製薬会社が外国の出版社と合弁会社つくったみたいな社名になっているランダムハウス講談社から出ていた『ブラインド・サイド』、秋から少しずつ読み始めてようやく年末に読了。 「年棒」という間違った表記が随所に出てきて、…

東京湾景

吉田修一の作品を読むのは『悪人』に続いて2作目になるが、何これすごいおもしろいじゃん。20数年前の自分が読んでいたら熱狂していただろうな。40過ぎた今読んでも十分熱くなった。『パーク・ライフ』のタイトルと装丁を見て村上春樹フォロワーみたいな感じ…

3冊読書

「本は三冊で読む」と松岡正剛氏が提唱して、それに基づいた商品展開をした書店があったという記事が数年前に新聞などに出たことがある。僕もそれに倣って3冊セットで本を紹介するブログ記事を書いたうっすらとした記憶があるが、いつどこで書いたのかもはや…

理論社の本でおすすめ3冊

理論社が民事再生法の適用を申請。売上高に匹敵する規模の借入金があったらやっぱ苦しいだろうなあ。仮に不動産とか持っていたとしても。Twitterで見て「えっ『指輪物語』の?」と一瞬思ったが、それは評論社だった。一般的には『チョコレート戦争』『兎の眼…

モレスキン攻勢

売上が前年同期比51%増と絶好調のダイヤモンド社は『もしドラえもんが高校野球のマネージャーだったら』(なんか違う?)の貢献度が大きいようだが、手帳本のエキスパートともいうべき辣腕編集者市川有人氏が手がけた『モレスキン「伝説のノート」活用術 』…

川は静かに流れ

久しぶりに翻訳ミステリーでも読もうと思って買ったのがジョン・ハート『川は静かに流れ』。評判は高いし、読みやすかったけど、なんか今の自分には合わなかったな。家族のあり方とか、愛情の向け方の描写が自分の実感からすごく遠いところにある。昔はそう…

Google副社長

『村上式シンプル英語勉強法』は今日の朝日新聞に出ていた日販かどこかのランキングで1位,アマゾンの語学部門でもしばらく見るたび1位で驚くほど売れている。帯には「米Google副社長」とあって,日本法人の社長だというのはあまり売り文句にならないようだ…

辞書を引こう

一部で話題沸騰,立命館小学校の教頭先生が書いた『7歳から「辞書」を引いて頭をきたえる』。 これはすばらしい。辞書を引くのを推奨することによって自主的に考える習慣が身につくというのは,勉強のできる人なら経験的にわかっていることだと思う。それを7…

lawmaker

ジム・トンプスンの『ポップ1280』を読んだ。 この主人公はアメリカの田舎町の保安官なのだが,選挙で選ばれるんだな。民主主義の腐敗についてもばっちり書き込まれている。 さて,「保安官」は原文ではどういう表現になっているのだろう。すぐ思いつくのは …

Summer Reading List

最近遅ればせながら『おおきく振りかぶって』の今出てる単行本をそろえてはまっているので,生まれて初めて野球に対する興味が出てきた。そうするとタイムリーに Rebecca Blood のところで以下の記事が紹介されているではないか。 http://www.sportingnews.c…

単位の話

『ジョーアンドミー』というヤングアダルト向けの本を読んだ。コネチカット州の釣り好きの少年が,父親と同年代くらいの森林監視員と知り合って交流を深めていく話。エッセイというか思い出話だな。実にさわやかな感触。armchair angler としても楽しめる。…

翻訳家

勝ち組翻訳家,大森望さんの新刊を図書館で借りて読んだ。買うつもりだったんだけど,たまたま図書館にあったから買うの中止。ごめんなさい。特盛! SF翻訳講座 翻訳のウラ技、業界のウラ話作者: 大森望出版社/メーカー: 研究社発売日: 2006/03/12メディア: …

セレブの現代史

最近,海野弘の著作が文庫や新書でよく目につく。単行本も出ていて,第何次かのブームといえるかもしれない。いや,ただのいわゆるマイブームか? おかげで文春新書の4月の新刊のうち2冊も買うはめになってしまった。まあファンとしてはうれしいことである…

自分の英語辞書を作る

以前自分が書いた記事をふと思い出して id:zokkon:20050330#p1 読み返してみたが,どこをどう直すつもりだったのか忘れてしまった。 連想したのが,松本道弘著『自分の英語辞書をつくる』(研究社)。これは読まないでいい本だけど賑やかしではまぞうでのア…

舞踏会へ向かう三人の農夫

リチャード・パワーズが先日来日していたそうで、なんか雰囲気が似てるみたいなことを耳にし(笑)、親近感を持ったので挑戦してみた。舞踏会へ向かう三人の農夫作者: リチャードパワーズ,Richard Powers,柴田元幸出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2000/0…

ナルニア国物語

先日家族で映画『ナルニア国物語/ライオンと魔女』を見てきた。2時間を超える上映時間だったので不安だったが,テンポよく進んだので大丈夫だった。吹き替え版でライオンのアスランの声を演じるのは,クロスオーバーイレブンでおなじみ,津嘉山正種。今日…

新刊情報

滝沢直宏先生が一般書をお出しになるというのは何か虚を突かれた感じがする。『コーパスで一目瞭然 【品詞別】本物の英語はこう使う』とストレートなタイトル。中身の情報が全然入ってきてないけど,これは楽しみだ。明日もう発売になるのか。コーパスで一目…

ユダヤ問題

フェイ・ケラーマンの『逃れの町』読了。 パレスチナで選挙があってハマスが過半数を取るという画期的な出来事があった中でタイムリーな読書だったが,これ原著が出たのは1994年なんだよね。オスロ合意の直後。たぶん一人の翻訳者(この場合は高橋恭美子さん…

proof

研究社の『英語青年』2月号の記事を見て注文した、黒人女性詩人エリザベス・アレグザンダーのエッセイ集。注文先はアマゾンのマーケットプレイスで海外の業者。昨日届いた現物を見て驚いた。ペーパーバックだけど表紙に白抜きで uncorrected proof と書いて…

大英帝国の大事典づくり

先日(id:zokkon:20060109)読んだ『オックスフォード英語大辞典物語』の流れで,講談社選書メチエの『大英帝国の大事典作り』を読んでみた。 テーマになっているのは,『ブリタニカ百科事典』とOED, それから『イギリス国民伝記辞典』の3種の事典/辞典。日…

オックスフォード英語大辞典物語

原書 "The Meaning of Everything" ISBN:0198607024けど,読んでない。図書館に翻訳があったので借りてみた。1857年にイギリスの言語学会(The Philological Society)で構想が発表された「歴史的原理に基づく新しい英語辞典」すなわち後のOEDの前史から現代…

柴田元幸の誤訳?

スチュアート・ダイベックの『シカゴ育ち』は,「いままで自分が訳したなかで最高の一冊」という訳者自身の言葉が帯に印刷されているので気にかかっていた。このほど初めて読んでみたら,なるほど引き込まれる。でもこういう人情派的なのがお好きだというの…

人名の世界史

『人名の世界史』というメインタイトルだけではちょっとわかりにくいが,世界各地の人名について,由来を中心に入門書として解説した本。欧米・東アジアだけではなく世界中に目配りしてあるところがポイント高し。といってもあらゆる地域を網羅しているわけ…

言語学者

先日のコーパス学会の挨拶で、中村純作先生がふれた興味深い話。デイヴィッド・ロッジというイギリスの作家がいるが、彼はもともとバーミンガム大学の英文学の教授。大学の内幕を描いたものも書いている。"Small World" という作品に出てくる言語学者(主要…

売り込み

ダグラス・ケネディの最新作『売り込み』ISBN:4102138153。やっぱりおもしろいんだけど、カタルシスという面では今ひとつだったかな。詳しくは本家のほうに書きました。

footprints

Abstract Logix というサイトに、ウェイン・ショーターへのインタビューが載っていた。なんか話がどんどんそれていく感じで素人っぽいインタビューだと思ったけど、ショーター関係の記事をいろいろ読んでみると、もともとそういう人みたい。彼の音楽にも通ず…

ブリタニカ百科事典読破

原題が The Know-It-All なのに(物知り面をする人、ぐらいの意味か)、邦題は『驚異の百科事典男 世界一頭のいい人間になる!』って飛ばし過ぎじゃないか……おもしろいけど。 著者はエンターテインメント系の雑誌に書いてるライター。幼い頃は世界一頭がいい…

アメリカン・スタディーズ

みすず書房が出している「理想の教室」シリーズの巽孝之『『白鯨』 アメリカン・スタディーズ』を読了。「アメリカン・スタディーズ」って、「カルチュラル・スタディーズ」に倣った用語なのかな。別に「アメリカ研究」でいいじゃないかと思うが、特にこの用…

海の祭礼

高校時代、日本史の先生から歴史に関する小説を読んで感想文を書けという宿題が出た。数回だけだったが、課題図書が指定されて、そういう本を年間に数冊読むことになった。鈴木三重吉の『古事記物語』、谷崎潤一郎の「少将滋幹の母」、そして吉村昭の『冬の…

通勤の友

伊坂幸太郎『ラッシュライフ』 『オーデュボンの祈り』はおもしろかったけど、これはあんまり感心しなかった。5人の人生が交差する群像劇という感じで、人物にはそれなりに感情移入できるのはいいけど、ちょっと軽いというか浅いんだよな。それと、舞台装置…

ちくま学芸文庫『英語・語源辞典』

語源というよりは、ある特殊な用法やフレーズの発祥を説明したりするものの方が多いので、純粋に単語の起源を調べるのには不向き。 日本人に身近な言葉、故事来歴が興味深い表現、味わい深いイディオム、人名に由来がある表現、特殊な外来語から移入された語…

古川日出男

この前の直木賞を取り損ねた古川日出男の『アビシニアン』を読んだ。 んー、なんと言うか、ファンタジーだなあ。3人出てくる主要登場人物のうち、男子大学生は偏頭痛、タイトルロールともいうべき若い女性は失読症という病気(と呼ぶのはちょっと外れてるよ…