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50代男性が健康と幸福を追求する日常をつづります

book

セレブの現代史

最近,海野弘の著作が文庫や新書でよく目につく。単行本も出ていて,第何次かのブームといえるかもしれない。いや,ただのいわゆるマイブームか? おかげで文春新書の4月の新刊のうち2冊も買うはめになってしまった。まあファンとしてはうれしいことである…

自分の英語辞書を作る

以前自分が書いた記事をふと思い出して id:zokkon:20050330#p1 読み返してみたが,どこをどう直すつもりだったのか忘れてしまった。 連想したのが,松本道弘著『自分の英語辞書をつくる』(研究社)。これは読まないでいい本だけど賑やかしではまぞうでのア…

舞踏会へ向かう三人の農夫

リチャード・パワーズが先日来日していたそうで、なんか雰囲気が似てるみたいなことを耳にし(笑)、親近感を持ったので挑戦してみた。舞踏会へ向かう三人の農夫作者: リチャードパワーズ,Richard Powers,柴田元幸出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2000/0…

ナルニア国物語

先日家族で映画『ナルニア国物語/ライオンと魔女』を見てきた。2時間を超える上映時間だったので不安だったが,テンポよく進んだので大丈夫だった。吹き替え版でライオンのアスランの声を演じるのは,クロスオーバーイレブンでおなじみ,津嘉山正種。今日…

新刊情報

滝沢直宏先生が一般書をお出しになるというのは何か虚を突かれた感じがする。『コーパスで一目瞭然 【品詞別】本物の英語はこう使う』とストレートなタイトル。中身の情報が全然入ってきてないけど,これは楽しみだ。明日もう発売になるのか。コーパスで一目…

ユダヤ問題

フェイ・ケラーマンの『逃れの町』読了。 パレスチナで選挙があってハマスが過半数を取るという画期的な出来事があった中でタイムリーな読書だったが,これ原著が出たのは1994年なんだよね。オスロ合意の直後。たぶん一人の翻訳者(この場合は高橋恭美子さん…

proof

研究社の『英語青年』2月号の記事を見て注文した、黒人女性詩人エリザベス・アレグザンダーのエッセイ集。注文先はアマゾンのマーケットプレイスで海外の業者。昨日届いた現物を見て驚いた。ペーパーバックだけど表紙に白抜きで uncorrected proof と書いて…

大英帝国の大事典づくり

先日(id:zokkon:20060109)読んだ『オックスフォード英語大辞典物語』の流れで,講談社選書メチエの『大英帝国の大事典作り』を読んでみた。 テーマになっているのは,『ブリタニカ百科事典』とOED, それから『イギリス国民伝記辞典』の3種の事典/辞典。日…

オックスフォード英語大辞典物語

原書 "The Meaning of Everything" ISBN:0198607024けど,読んでない。図書館に翻訳があったので借りてみた。1857年にイギリスの言語学会(The Philological Society)で構想が発表された「歴史的原理に基づく新しい英語辞典」すなわち後のOEDの前史から現代…

柴田元幸の誤訳?

スチュアート・ダイベックの『シカゴ育ち』は,「いままで自分が訳したなかで最高の一冊」という訳者自身の言葉が帯に印刷されているので気にかかっていた。このほど初めて読んでみたら,なるほど引き込まれる。でもこういう人情派的なのがお好きだというの…

人名の世界史

『人名の世界史』というメインタイトルだけではちょっとわかりにくいが,世界各地の人名について,由来を中心に入門書として解説した本。欧米・東アジアだけではなく世界中に目配りしてあるところがポイント高し。といってもあらゆる地域を網羅しているわけ…

言語学者

先日のコーパス学会の挨拶で、中村純作先生がふれた興味深い話。デイヴィッド・ロッジというイギリスの作家がいるが、彼はもともとバーミンガム大学の英文学の教授。大学の内幕を描いたものも書いている。"Small World" という作品に出てくる言語学者(主要…

売り込み

ダグラス・ケネディの最新作『売り込み』ISBN:4102138153。やっぱりおもしろいんだけど、カタルシスという面では今ひとつだったかな。詳しくは本家のほうに書きました。

footprints

Abstract Logix というサイトに、ウェイン・ショーターへのインタビューが載っていた。なんか話がどんどんそれていく感じで素人っぽいインタビューだと思ったけど、ショーター関係の記事をいろいろ読んでみると、もともとそういう人みたい。彼の音楽にも通ず…

ブリタニカ百科事典読破

原題が The Know-It-All なのに(物知り面をする人、ぐらいの意味か)、邦題は『驚異の百科事典男 世界一頭のいい人間になる!』って飛ばし過ぎじゃないか……おもしろいけど。 著者はエンターテインメント系の雑誌に書いてるライター。幼い頃は世界一頭がいい…

アメリカン・スタディーズ

みすず書房が出している「理想の教室」シリーズの巽孝之『『白鯨』 アメリカン・スタディーズ』を読了。「アメリカン・スタディーズ」って、「カルチュラル・スタディーズ」に倣った用語なのかな。別に「アメリカ研究」でいいじゃないかと思うが、特にこの用…

海の祭礼

高校時代、日本史の先生から歴史に関する小説を読んで感想文を書けという宿題が出た。数回だけだったが、課題図書が指定されて、そういう本を年間に数冊読むことになった。鈴木三重吉の『古事記物語』、谷崎潤一郎の「少将滋幹の母」、そして吉村昭の『冬の…

通勤の友

伊坂幸太郎『ラッシュライフ』 『オーデュボンの祈り』はおもしろかったけど、これはあんまり感心しなかった。5人の人生が交差する群像劇という感じで、人物にはそれなりに感情移入できるのはいいけど、ちょっと軽いというか浅いんだよな。それと、舞台装置…

ちくま学芸文庫『英語・語源辞典』

語源というよりは、ある特殊な用法やフレーズの発祥を説明したりするものの方が多いので、純粋に単語の起源を調べるのには不向き。 日本人に身近な言葉、故事来歴が興味深い表現、味わい深いイディオム、人名に由来がある表現、特殊な外来語から移入された語…

古川日出男

この前の直木賞を取り損ねた古川日出男の『アビシニアン』を読んだ。 んー、なんと言うか、ファンタジーだなあ。3人出てくる主要登場人物のうち、男子大学生は偏頭痛、タイトルロールともいうべき若い女性は失読症という病気(と呼ぶのはちょっと外れてるよ…

理想の教室

細見和之『ポップミュージックで社会科』。タイトルからは射程が広いものを想像するが,取り上げられているのはジョーン・バエズ他「ドナドナ」,トム・ジョーンズや森山良子などが歌った「思い出のグリーングラス」,ジャニス・イアン "Society's Child", …

星野智幸『ファンタジスタ』

『ロンリー・ハーツ・キラー』よりも前の作品。「砂の惑星」「ファンタジスタ」「ハイウェイ・スター」の3作を収録。どれもちゃんと理解したとは言いがたいけど、比喩がわかりやすい分、背景の設定が自分の問題意識と共振しているような気分になる。表題作…

アマゾン

元bk1の河野武氏が「翻訳になじめなかった」と書いた理由がわかった。『アマゾン・ドット・コム 成功の舞台裏』を訳したのは風工舎の星睦氏。割とどうでもいいようなこと(ファイブ・オクロック・シャドウ)とか、すでに常識になってるようなこと(クラック…

英米児童文学

今日図書館で見かけて、一瞬借りようかと思ったけどやめといた本。「英米児童文学の黄金時代」(ミネルヴァ書房)気になるし値段も高いので、今度見かけたら借りよう。英米児童文学の黄金時代―子どもの本の万華鏡 (MINERVA英米文学ライブラリー)作者: 桂宥子…

奇想コレクション

シオドア・スタージョン『輝く断片』を買ったのは、丸善本店で買ってほしそうな顔をして平積みになっていたから。この人の作品を読むのはこれが初めて。先日 Book Baton でこの本を挙げたら、キーワードとISBNからたくさん人が来ていて、スタージョンの人気…

ミステリの傾向

先日ちょっと触れた『ベスト・アメリカン・ミステリ ジュークボックス・キング』ISBN:4150017697 The Best American Mystery Stories 2003 という。2003年に発表された短編からよりすぐったアンソロジーである。通勤時を中心にちょびちょびと読んでいる。 な…

Book Baton

id:tommyrocksteady さんから意趣返し(Thx!)。 Total number of books I own 本棚4つ分ぐらい(各本棚の容量がわからないのがミソ)。 Book[s] I'm reading now 『アマゾン・ドット・コム 成功の舞台裏』isbn:4844321269 シオドア・スタージョン『輝く断片…

裸のタリーズ

ただこの駄洒落を書きたかっただけ。別に内幕を暴くとかそういうのじゃありません。以前プレイボーイに「スターバックスの女」と題するグラビアがあって、スターバックスの元従業員と称する女をスタバ店内を模したセットで写したという安直な代物だった。ス…

性懲りもなく星野智幸に挑戦

今度は『ロンリー・ハーツ・キラー』。『アルカロイド・ラヴァーズ』よりはるかにわかりやすかった。天皇制,NEET,ネットで流通する悪意,マスゴミ……といった現代社会のいやな部分をぐさぐさとえぐりとってみせた快作だ。さらには Musical Baton の流行を予…

次に読みたい本

HotWired の「t/スペース社の新型宇宙船、切り離し試験成功(上)」という記事を見て、松浦晋也さんの「スペースシャトルの落日」を連想。アメリカは民間企業からこういう動きが出てくるところがすごいよなあ。日本でもあるんだったらごめんなさい。スペース…