ユリイカ2003年9月号「ブックデザイン批判」

こういう特集って近年はやっていなかったようだけど,実は詩人の吉岡実が筑摩書房勤務の装丁もする編集者で,「詩と批評」の雑誌とブックデザインとのつながりは十分あるのだった。73年には栃折久美子さんが登場して吉岡の装丁について語ったこともあるらしい。それがブックデザイン特集なのか吉岡実特集なのかわからないが。
とりとめのない感想だけ書いておく。ユーザー(読者というより本を買う人)は本の寿命について,物体としての寿命を考えるのに対し,売る側は商品としての寿命を主に考える。本特集に寄稿しているブックデザイナーたちからの今の造本に対する批判を見ると,彼らは売る側に属しつつも買う側に近いという印象を受ける。それに対してダメなデザイナーとダメな版元(直接的には編集者)が物体としての寿命の短い本を作らせ,本を売れなくしている…と明言している人はいないが。