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英語の歌詞

ピーター・バラカン『ロックの英詞を読む(Rock Between The Lines)』ISBN:4797670908(集英社)
英語のポップソングの歌詞を解説したもの。詞の和訳も載せているが,邦盤のブックレットに掲載されているものとは無関係に,著者が独自につけている。アルクの月刊誌 ENGLISH JOURNAL に連載していた記事から選んだものに書下ろしを加えた36篇。連載時は編集部に選曲権があったらしいが,ここに収められたのは著者らしいセレクトになっている。冒頭の Alison (Elvis Costello) とかね。アルファベット順だから冒頭にきているんだけど,象徴的。(This world is killing you / My aim is true ってそういう意味だったのか…)
ちゃんと英語の勉強もできる記述もあるし,ポリスの Every Breath You Take のところなどで英詞における韻の役割についてもよくわかる。歌詞自体の解説にとどまらず,その曲が生まれ(て受け入れられ)た時代背景についてもちゃんと目配りしてあるし,ロックの歴史も俯瞰できる。すばらしい。興味深いのは,バラカン氏自身が少年の頃に触れたアメリカの歌についての感想。イギリスから見たアメリカとの距離感が表明されている箇所がいくつかあって,共感したりなるほどと感心したり。
中でも印象深いスモーキー・ロビンソンの The Tracks of My Tears を扱った章は,この歌に対する著者の愛情があふれている。必読。
ビートルズローリング・ストーンズは,選びたいものが当然あったのに,許諾を得るのに難航したせいでカヴァー曲(Rock'n'Roll Music と Time Is on My Side)になったのだという。
気になるのは,この選曲が今の高校生ぐらいに対してフィットするのかどうか。ぼくにはジャストフィットだったけど。

柳瀬陽介先生も絶賛。http://ha2.seikyou.ne.jp/home/yanase/review.html#031011
そこ経由で知ったピーター・バラカン氏の BROKEN RECORDS http://www.fuga.ne.jp/shop/broken_records/