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スカンジナビア

海上レストラン「スカンジナビア」、来月末で営業終了
ガーン。スカンジナビアのことは前に「関心空間」にも書いたことがある池波正太郎『よい匂いのする一夜』に触発されて,新婚旅行で泊まったところだ。いつのまにかホテルからレストランに変わっていたときもショックを受けたが,ついに営業停止とは。98年にわれわれが泊まったときはわずか8万人の中の2人だったのか。「わずか」というのも変だけど。
ベッドなんかそんなに寝心地がいいわけでもなかった気がするけど,大きくて丈夫そうだった。いかにも船らしい丸い窓なんかが付いていて,こんなところに子供を連れてきたら喜ぶだろうな,と思ったものだった。

ホテルだったからこそよかったのであって,滞在時間の短いレストランでは魅力も半分しか楽しめない。だからこうなるのも時間の問題だったんだろう。維持費も年々かさんでいくのだろうし。それにしても残念だ。

西武鉄道グループがこれを購入して海上ホテルに転用することを決めたとき,客船だった当時の名前は極力出さないことが前の持ち主から条件として付けられていたはずだ。そういうわけで「スカンジナビア」と改名したのだが,最近は,前の名前「ステラ・ポラリス」をメディアなどでも見かけるようになっていた。禁が解けたのか,前の持ち主との取り決めも無効になるほど老朽化が進んだのか。

実は伊豆にも西武鉄道グループの資本はけっこう入っていて,「プリンスホテル」という名前がつかないから知らなかったけど,スカンジナビアや大仁ホテルといった感じのいい老舗も実はグループなのだ。池波正太郎の前掲書には大仁ホテルも紹介されていたし,意外と西武鉄道系のホテルの名前が多い。そういうところも,長い不況と親会社の不祥事が重なって,これから続々とダメになっていくんじゃないかと危惧する。