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50代男性が健康と幸福を追求する日常をつづります

フリースタイル

片岡義男などの本を出している出版社フリースタイルから,同名の雑誌が発刊されるという話はずいぶん前に聞いていた。丸の内の丸善で見つけたので買ってみた。A5判,本文88ページで640円(本体価格)。これから広告を入れたりするのかな。雑誌というふれこみだけど雑誌コードじゃなくてISBNとってんだね。
ISBN:4939138259
対談が主体。片岡義男×小西康陽いしかわじゅん×南信長,神命明×松浦正人,井口奈己×増原譲子×西ケ谷寿一(これは鼎談),松岡和子×小森収といった顔ぶれ。
冒頭の片岡×小西対談は,2人がレコードを持ち寄ってそのことについて話すんだけど,とにかく固有名詞を並べているだけで知らない人にとっては何が何だか,という壮絶な世界。ぼくも名前ぐらいなら知ってるけど音は知らない人か,どちらも知らない人(ローレンス・ウェルクなんて言われても……そもそもどの名前がどの年代の人なのかすらわからない)ばかりだったので,こりゃだれかにまとめサイトでも作らせて整理しなきゃ,と思ったことであった。でも既知の固有名詞から未知のものの内容を想像したりするのが楽しいんだよね。
いしかわ×南は『失踪日記』の話から。いしかわじゅん

面白かったんだけど、ちょっと物足りないとこもあったんだよ。途中でペン変えてるじゃない? Gペンとミリペン両方使ってて、Gペン使ってるとこのほうが圧倒的にいいんだよ。本人はGペンはコントロールが難しくて思った線が描けないからって言うんだけど、ミリペンをとった時点でもう描く対象に対して、熱みたいなものがちょっとないんだよね。

という指摘はさすがだと思った。ふだんからマンガを読み込んでる人なら素人でもわかるレベルなのかな?
松岡×小森対談が意外に,というか知らない話ばかりでも読んでわかるという意味でおもしろかった。勘三郎の芝居は歌舞伎じゃないという話(つまり歌舞伎の規範からは外れたことをやっているけどそれはこれまでの他流試合の成果であって興味深いものだということ)とか。