星野智幸『ファンタジスタ』

『ロンリー・ハーツ・キラー』よりも前の作品。「砂の惑星」「ファンタジスタ」「ハイウェイ・スター」の3作を収録。どれもちゃんと理解したとは言いがたいけど、比喩がわかりやすい分、背景の設定が自分の問題意識と共振しているような気分になる。表題作は、「ダキマクラ」の存在を軽視しながら読んでいたので、ラスト近くでの突然の展開に驚いた。一人称の主人公に時折訪れる怒りの激発が結末にどうかかわってきたのか反芻しながら考えてみたい。

ファンタジスタ

ファンタジスタ

「ハイウェイ・スター」は途中まで高速小説。スピード感あふれる描写が快感。そこを離れてからの驚くべき展開もすごい。高速道路を走行中、標識に「皇居」とか「旅順」とか「新京」とか、ありえない地名が出てくるという場面があるが、今じゃ実は Google マップで表示させることができるのであった(ネタもと:interrupted train)。