細見和之『ポップミュージックで社会科』。タイトルからは射程が広いものを想像するが,取り上げられているのはジョーン・バエズ他「ドナドナ」,トム・ジョーンズや森山良子などが歌った「思い出のグリーングラス」,ジャニス・イアン "Society's Child", ボブ・ディラン「ハリケーン」,友部正人,中島みゆきといった人たち。かなりフォーク寄りのセレクトで,音楽と結びつけて解説される事柄も,ホロコースト,公民権運動,あさま山荘事件,ペルーの日本公使館人質事件といったところで,「社会科」というよりは現代史の方が適当かと思う。
授業の講義録のような体裁だが,実際には大学生および小学校の保護者を対象に行った授業を再構成したもの。
- 作者: 細見和之
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2005/06
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 11回
- この商品を含むブログ (15件) を見る
「ポップミュージックで〜」という方法論は,人文科学・社会科学の分野では広く応用できそうに思う。どちらかというと‘〜’(学習の対象)よりは歌に対する理解の方がより深まりそうだが。