id:finalvent 氏も取り上げているように、「シェークスピアの作品を書いたのは実はこの人だった」という古くからの議論に新しい一石が投じられる。ヘンリー・ネヴィルという、プランタジネット家の血を引く貴族/政治家/外交官がその人。
- http://www.timesonline.co.uk/article/0,,2-1811620,00.html
- http://news.independent.co.uk/uk/this_britain/article317235.ece
"The Truth Will Out: Unmasking the Real Shakespeare" というタイトルでロングマンから今月25日発売。
日本語の記事では語彙の分析についてけっこう大きく取り上げられていたが、上2つの英文記事ではそれよりもむしろ、ネヴィルの行動とシェークスピア戯曲に共通点が多いことが根拠として挙げられている。計量文献学的には、ネヴィルの書いたものをどれだけ正確に特定できているかという点と、戯曲+韻文という特殊な領域の文章における特徴をどう評価するかという点がポイントなのではないか。どの程度検証できているか興味深いところだが、上の紹介記事を見る限りけっこう説得力ありそうだ。
『シェークスピアは誰ですか?―計量文献学の世界 (文春新書)』では、「近年は、シェークスピア別人説の中では[フランシス]ベーコン説に代わり、オックスフォード伯説が主流になりつつあるといわれている」という傾向が紹介されていた。
ネヴィル自身がフォルスタッフのモデルだということも主張されているようだ。というわけでオーソン・ウェルズの『フォルスタッフ』にリンクを張ろうとしたが、DVDはないみたいなので、『オーソン・ウェルズのフェイク』にした。
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