新刊

学習英和辞典が出版されるのはだいたい秋と決まっている。それは、新学期に学校/先生から生徒へ推薦する辞書を決めてもらうためには、刊行してから検討期間を見て営業しなければならないから。
今年は思いがけず学習辞書の新刊・改訂の数がそろった。

  • ニューヴィクトリーアンカー英和辞典第2版(学研)ISBN:4053019516
  • ビーコン英和辞典第2版(三省堂)ISBN:4385106088
  • コアレックス英和辞典(旺文社)ISBN:4010751320
  • フェイバリット英和辞典第3版(東京書籍)

上に挙げた4冊は、同じ学習辞典の範疇に入るとはいっても、レベルには差があって、上2冊が初級向け、下2冊が中級という感じだと思う。カナによる発音表記が(どこまで)つくか、というのと語数が一応の判断基準になる。
インスパイヤ辞書として名高い『フェイバリット』がもう3版になるのは感慨深い。
一去年は『ユースプログレッシブ英和辞典』(小学館)ISBN:4095102438 が出て、昨年は『グランドセンチュリー英和辞典第2版』(三省堂)ISBN:4385107912 が出た、という具合に、これまでもこのカテゴリーはぼちぼち出ていたのだが、今年は近年にない数の新刊・改訂が重なったという印象がある(たぶん見落としがけっこうあると思うので、実は毎年それなりに出ているのかもしれないが)。全般的に辞書の改訂サイクルが短くなっているのと、紙の辞書の市場としてまだ電子辞書に席巻されていない分野はもうここぐらいしかないということで、辞書出版社が力を入れてきているといった要因があるのだろう。
辞典協会などが「最初は紙の辞書」と訴えるのは、もちろん学習効果などの面で意味があることで、一覧性に欠ける電子辞書に行く前に、辞書の構造や引き方をやさしめの辞書で学んでおくのは大事なことである。
ただ、ちょっと必要性と学習効果の面でギャップがあるのではないかと感じる。英語の授業やその予習・復習に対して、中学校の段階ではほとんど辞書なんか引く場面はないが、やっぱり中学生ぐらいの段階で辞書について知っておいたほうがいいと思う。辞書は知らない言葉の意味を知るためだけに引くものではなくて、理解があやふやな語の使い方を説明や用例を通じて確かめるというのも大事な役割であるというのを認識するためには、基本的な語彙を身につける段階がふさわしいと思う。
ついでに、小学校で英語を義務化するのであれば、中学校以降のカリキュラムについてもちゃんと再検討してほしい。