Stranger in Town

ぼくは嵐に乗って
事の景色を見守ってる

The Roosterz "Neon Boy" の第2曲 "Stranger in Town" の歌詞が表した,荒涼たる風景の中を一人行く男の姿は,リリース当時よりも昨今の陰鬱な時代の気分に合うと思う。作詞は柴山俊之。

NEON BOY(紙)

NEON BOY(紙)

Stranger からの連想で,辞書の stranger の例文として I'm a stranger here.(私はこの辺りには不案内です)というのをよく見かけるのを思い出した。これについて,「こんなの会話ではふつう使わない」としたり顔で言う人がいる。『フェイバリット英和辞典』では第3版ISBN:4487395151,それまでなかった「Sorry, but I don't live around here. などと言うほうがふつう」という注記を入れている。でも考えてみれば,この表現が学習英和辞典に取り入れられたのは,実際の場面で使ってみようということではなく,文章なり会話なりでこの表現に遭遇してしまった場合の解釈が正しくできるようにという配慮だったのではないか。stranger の語感をつかませるにも有効だし,何となく気の利いた感じの英語っぽい表現にも見えるから,辞書編纂者のお気に入りだったということも考えられる。「そんなこと言わない」と一概に否定するのもどうかな,つーかそんな注記入れるぐらいなら削れよと思う。この例文が広まって行った過程なんかを調べるとおもしろそう。

[追記:よく見たらOALD ISBN:0194316491 に載ってた。これが源流か?]

基本的な語の意味内容に関してもう一つ思い出すのは friend のこと。中学1年生向けの教材に出てくる

"Is that your friend?" "No, he isn't. He's my brother."

という会話について,「これは不自然だ。Brother も friend に含まれるから,答えは "Yes, he is. He's my brother." でなければならない」という意見を付けてきた人がいた。いくら何でもそりゃないだろうと思ってイギリス人に聞いてみたら「そんなことないよ」という返事。そもそもそこは No の返答を学習する単元なので Yes に変えることはできないのであった。つーかそんなの,「friend は brother を含む場合もあるから,brother と friend は入れ替えた方がいい」とか指摘すりゃ簡単じゃん。でもそうしたら「He's my friend. は不自然だ。He's a friend of mine. じゃないとおかしい」とか言い出すんだろうなあ。めんどくせー。