backronym というのは,Walrus, Visit. で知った新語。というか acronym(頭字語)からの造語。頭字語の逆生成みたいな感じかな。
wiki の語源がハワイ語だというのは定説だと思っていたが,CNet 日本版の訳文は勇み足っぽい。「一説によれば云々」というのは,原文の Wiki is sometimes interpreted as the acronym for "what I know, is" に相当するのだと思うが,百歩譲って誤訳ではないとしてもミスリーディングには違いない。
これと似たような例で最近有名なのは Ajax だと思う。一説によればこれは Asynchronous JavaScript+XML の acronym らしいが,Ajaxの本質という記事を読むと,JavaScript を使うのは本質ではないようだから,むしろ backronym なんじゃないか。アヤックスというのはギリシャ神話の登場人物の名前。オランダのサッカーチームの名前に使われてるのは知っていたが,洗剤の名前でもあるというのを最近モーリさんのところで知った。
『リーダーズ』には洗剤の意味もちゃんと載っている。
1 アイアース (=Aias) (=Great Ajax) 《Telamon of Salamis の息子でトロイア攻囲軍の勇士; Achilles のよろいが Odysseus に与えられたので自殺した》.
2 (小)アイアース (=Ajax the Less(er)) 《Locris の王でトロイア攻囲軍の快足の勇士》.
3 【商標】 エージャックス《洗剤》.
『リーダーズ・プラス』の方には「カナダ Ontario 州南東部 Erie 湖岸の町」という意味まで載っているが,サッカーチームのことにはなぜか触れていない。
『ジーニアス』によるとギリシャのアイアスは「アキレスに次ぐ快足」という存在らしいが,2番手でも別にいいのかなあ。ちょっと不思議な気がするが,ちゃんと調べればなぜこの名前に人気があるのかわかるかも。
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