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辞書の引き方 -- 最長一致の法則

某所で英文の構造をどうやって見抜くかという話が出た。

Will you sew a button on this shirt for me?

この on this shirt が button を修飾する形容詞句ではないことがわかるようになる秘訣というか。
これに対する有力な回答として、磐崎弘貞先生の『英語辞書力を鍛える』(DHC)で紹介されているテクニックがある。大ざっぱに言うと、動詞の型を判別する(というかどこまで動詞の影響力が及んでいるかを判断する)ためには、かたまりが長い方から検証するとよい、という経験則である。

同書p.35では、

They call on the state to educate police about domestic violence.

という英文の意味の取り方が紹介されている。

このcallは、
call (自動詞;電話する)ではなく
call on (〜を訪問する)でもなく
call on A to do (Aに...することを求める)といういちばん長いかたまりでとらえるとよい、よいうわけだ。

最初の問題に戻って、sew を英和辞典で引くと、たとえば『ウィズダム英和辞典』ISBN:4385105685の項に[sew A on (B)]という文型が示され、 「A〈布・ボタンなど〉を(B〈布地など〉に)縫い付ける」という語義が出ているので、なるほど sew A on B のパターンだな、と判断できるわけだ。

これは単なる小手先の技術ではない。大きなかたまりは、英語に慣れている人ならすぐに把握できるようなものでも、慣れてない人は読むスピードが遅い分一度に入ってくる情報量が少ないからすぐにはつかめない。そこで、なるべく長いものに注目するようにすればその弱点を補うことができるということだろう。

英語 辞書力を鍛える―あなたの英語を変える快適辞書活用術

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