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50代男性が健康と幸福を追求する日常をつづります

翻訳家

勝ち組翻訳家,大森望さんの新刊を図書館で借りて読んだ。買うつもりだったんだけど,たまたま図書館にあったから買うの中止。ごめんなさい。

特盛! SF翻訳講座 翻訳のウラ技、業界のウラ話

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いちばん読みたかったのが黒丸尚の追悼文。これはじんとくるものがあった。
10年前ぐらいまでのSFマガジンでの連載をまとめたもので,今の目から見た注釈が随所に入っているので昔を懐かしむのにもいい。しかしいろいろヤバいことになってるなあと思う。出版業界全体がそもそもお先真っ暗だし,SF翻訳の世界も若い翻訳者が育っていなくてまずいし,地方の経済・文化的状況もそうだろう。僕は大森さんの高校の後輩に当たるので,「昔は地方都市でも英米の新しいSFを入手するのは難しくなかった」というのは具体的な書店名までよくわかるのだが,たまに帰ったりするとそういうところもかなり様変わりしていて,環境としては確実に悪化しているんじゃないかなと思う。
ところで,初版部数とか印税とか増刷の部数の話など,かなり現実的なお金の話も出てくるのだが,気になるのはこの本の初版部数と印税率だな。こういうリサイクルもので稼ぐことこそ勝ち組たる由縁と言えるわけで。そういえば勝ち組を連呼する西島大介との対談はウェブで読んだ覚えがある。
ちょっと気に入らなかったのが組版。なんか欧文のまわりがスカスカなんですけど。