eye dialect

一般には「視覚方言」という訳語が与えられ,「文学作品で標準的なつづり字ではなく,発音通りにつづったもので,話し手の無教養さなどを表すのに用いる」(小学館『プログレッシブ英和中辞典』)もののこと(この説明文はちょっとぎこちないけど)。
because のことを 'cuz と書いたりする。
旺文社の『新英和中辞典』では巻末の付録にこれをまとめて載せたページがあって,けっこういいと思うんだけど,追随する辞書がないところを見ると,あまり受けなかったようだ。
ところで,旺文社の同書では本文の eye dialect の項目では「視覚方言」という訳語しか示していないけど,付録では「一般には『視覚方言』と訳されるが,ここでは『発音つづり』とする」なんて書いてある。ちょっと不統一じゃないですか? なんて死人にむち打つような真似はやめよう。三省堂『ウィズダム英和辞典』でも,eye の項目の複合語では「視覚方言」しか示してないけど,ほかの項目の注記では「発音つづり」としてあったりする。
というのを思い出したのは id:mohri:20060519:sambojazz のリストで最初に挙がっていたローチ-ブラウンのCDを今日たまたま聴いていたため。この中に収録されている "All God's Chillun Got Rhythm" という曲の chillun は,children の発音つづり。邦題は「神の子はみな踊る」となっていて,村上春樹の短編集『神の子どもたちはみな踊る』と表題作はこれがネタもとだったわけだね。ファンなら周知のことなんだろうか。で,この原曲はマルクス兄弟の映画『マルクス一番乗り』(1937)の劇中曲なのだそうだ。「当時からジャズマンに好まれてきた」とライナーノーツには書いてあるけど,知らなかった。

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神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫)

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イン・コンサート?コンプリート・ヴァージョン

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