Merriam-Webster の今年秋に出る新版に,google という語が動詞として立項されることになったというのが CNET や,それをネタにしたスラッシュドットなどで話題になっている。んー今見ると the 2006 print version of Merriam-Webster's Collegiate Dictionary, Eleventh Edition, due out this fall なんて書いてあるな。現行版も第11版なんですけど……CNETの間違い? それともCOBUILD5並みの小規模な改訂なので第12版と称するのはおこがましいと思ったとか? 案外そうかも。"edition" じゃなくて "version" と呼んでるところがくさい。おそらく,edition(版)を改めるほどの規模ではないが impression(刷)の違いよりも大きいということなのだろう。
相変わらずCNETの日本版は原文の後半をはしょって訳してあるので,今年はノア・ウェブスターの辞書が刊行されてから200年目にあたるという重要な情報が抜け落ちているではないか。
Google は2003年2月の時点では自社の名前を動詞として使われることに関して抗議したのだが,とうとう観念したようだ。でも「Googleを使って」という点を入れさせたのは,さすが Don't be evil. を標榜する企業らしい(反語ですよもちろん。それに,Google が実際編集部に申し入れたかどうかも知らないで適当に書いてるので真に受けないように)。まあ,動詞googleも,Google のシェアが下がれば xerox と同じように,自然と使われなくなってくるんだから(id:zokkon:20050527)別に目くじら立てる必要はないだろう。
Merriam-Webster's Collegiate Dictionary (Merriam Webster's Collegiate Dictionary)
- 作者: Merriam-Webster
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MSNBCには,この種の新語に対するオックスフォード大学出版局の反応をまとめた記事が載っている。
あと,この記事では,Merriam-Websterの辞書の歴史という興味深い側面が掘り起こせるのだが,それはまた別の機会に譲ろうと思う。