ガリバーのやり方

「知ったかぶり週報」11月17日(金)の記事で紹介されていた考え方には考えさせられるものがあった。

業界第一位は、他企業が新機軸の商品を打ち出してきたら、同じような商品をすぐに出し、圧倒的な資本力と営業力で対抗する「同質化戦略」をとるべきなのである。そう考えると、出版業界においては講談社という出版業界の巨人は今までずっと同質化戦略を取ってきたことがよくわかる(「POPEYE」に対抗して「HotDogPress」を出したり)。

英和辞典業界で言うと,大修館書店の『ジーニアス英和辞典』はまさにこれか。

大修館書店のウェブサイトで,『ジーニアス英和辞典第4版』の改訂趣旨などについて解説した文書を読むことができる。同社の広報誌『GCD英語科通信』をPDF化したもののようだ。

ここで初めて「ジーニアス・コーパス」という名称を目にした。これによると,以前からコーパスは作っていたが今回初めて広告宣伝上も前面に押し出したということなのだろうか。コーパスを自前で準備した初の英和辞典である『ウィズダム』への対抗意識があるのだろうか。そして,新しく今回の版から編集委員に加わった中邑光男先生が,独力で1億語の米語コーパスG4Cを完成させたとのこと。でも,その構成を見ると,「2000年以降にアメリカで発行された新聞・雑誌,放送された番組の英語から作成する」とあるので,バランスはあまり考慮されていないようだ。個人でやるには限界があるということではないのか。いずれにしてもコーパスに関しては特筆すべきことは特にない。

今回の改訂でもう一つ注目を集めそうなのが,前のエントリでも書いたとおり前置詞などの概念図。これも『Eゲイト』などが既に取り入れているもので特に目新しいものでもない。でもジーニアスがやるから,という安心感を持つ人がいるだろう。

「ジーニアスのどうでもいい細かい文法・語法注記が日本の英語教育をダメにした」とは全然思わないが,「G史上最大の改訂」がどれほどのものなのか楽しみにしたい。