トップ・レフト

東京でも足立区のベンチで放射能管理区域なみの放射性物質が検出されたとかいう話を見て、この天気のせいもあるけどまたしてもどよーんとした気分に。
さて、黒木亮の著作をちょこちょこ買い集めては解体・スキャンしているが、デビュー作の『トップ・レフト』をまだ買っていなかったことに気づいて角川文庫版を先日入手し、これから解体の作業に入る。この人の著作は、情報量が豊富なところに加えて、ビジネス小説としてはご都合主義的な展開があまりないのも美点だと思うが、デビュー作とあってこの作品では登場人物の生き死にに若干作り物っぽさが感じられた。それでも(不遜な言い方をお許しいただきたいが)なかなか読ませる作品になっているのはさすがだ。
おもしろいと思った英和・和英関連の表現は次の通り。

オリジネート(発掘)

p. 109 国際協調融資の文脈で、動詞 originate に「発掘する」という訳語を当てているのが興味深い。他動詞では「生じさせる」「創始する」という訳語がよく見られるが、必ずしも無から有を作り出すというニュアンスではないと思うので、この表現は我が意を得たりと思ってメモした。しかし多分に比喩的・文脈依存的な要素が大きいと思うので、そのまま英和辞典の訳語として採用するわけにはいかないだろう。

引き出物

p. 362「調印式の引き出物」など。これは英語では単なる gift なのだろうか。

トップ・レフト ウォール街の鷲を撃て (角川文庫)
黒木 亮
4043755023