スルガ銀行の文化施設「クレマチスの丘」

スルガ銀行はどうなってしまうのだろう。6か月の業務停止と業務改善命令という行政処分が出たが、不正の規模が予想以上に大きかったととらえた向きも多かったようだ。我が家ではANAのマイルをためるために給与振込口座にしているので、今後経営が傾いたら影響がないとは言わないが、まあ実害はないだろう。マイル付与のサービスがなくなったらちょっと痛いけど……。

それよりも気になるのが、同行の文化事業の行方だ。中でも、静岡県長泉町で運営している文化施設クレマチスの丘」。スルガ銀行のサイト(会社情報)を見るかぎりでは財団法人なんかを介して運営しているのではなくて直轄事業のように見えるが、どういう金の動きになっているのかはよくわからない。

富士山の麓、愛鷹山の中腹あたりにスルガ平という広大な高級分譲地があり、そこに隣接するミュージアムエリアがクレマチスの丘。三島駅から送迎バスが出ている。スルガ銀行創業者一家の岡野喜一郎氏がフランスの画家ベルナール・ビュフェのファンで、集めた作品を収蔵・展示する美術館を1973年に設立したのが始まり。同時に井上靖文学館も同じ敷地内に開いている。その後、ビュフェが自殺して新しい作品が生まれる可能性がなくなると、今度はイタリア人彫刻家ジュリアーノ・ヴァンジの個人美術館を2002年に開館、さらに2009年にはIZU PHOTO MUSEUMを開館し、レストランなどの施設も整備してきた。

行ってみるとよくわかるように、広々とした敷地、箱根や駿河湾も見渡せて景色もいいし、屋外に展示した彫刻は見て楽しくて子供連れでも安心。日によってはレストランの待ち時間が長くなることがあるかもしれないけど、来館者も東京の美術館に比べたら全然少ないからゆったり過ごせる。なかなかいい場所です。

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写真は2010年に家族で訪れたときのもの。

というわけでお気に入りの場所の一つであったんだけど、広大な土地の購入費用、建物の建設費、作品の購入費、施設の運営費などなど莫大な額になるはずで、こんな施設を何十年も維持できるなんて銀行の経営というのは儲かるんだなあ、と無邪気に考えていた。その儲けがすべて不正によるものというわけではなく、ほとんどは先進的な取り組みを行ってきた結果だと思うので、なんとか経営を立て直してこの施設も維持してほしいものだ。

ベルナール・ビュフェはそんなに好きじゃないんだけどね。