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50代男性が健康と幸福を追求する日常をつづります

科学的に妥当な情報を得ることを心がけたい

インフルエンザではないと思うと書きましたが、結局、勤めは今日を含めて3日間休みました。熱は38度まではいかないものの37度台を行ったり来たり。やっぱりインフルエンザだったのかもしれません。あまり症状がひどくならなかったということは、今季流行のA型だったのでしょうか。

今回寝込む前に書店で見つけて買っておいた本、岩田健太郎インフルエンザ なぜ毎年流行するのか』を読みました。

https://www.instagram.com/p/BssaYQvh3s4CBcXxAqrtoJfOoTb6OoXqMHgOP80/

日本の書籍や雑誌で流布する健康情報には間違ったものがとても多いとして、少しでもそれを正そうとする本です。「はじめに」を読んでこれは信頼できるだろうと判断して、購入に至りました。がん治療を否定し最近はワクチン否定で社会に害悪をまき散らしている近藤誠氏に対する批判も相当の分量を割いて展開しています。

全体に期待に応える内容でした。

この本から学んだキーワードの一つが、「キャッチアップ」です。

ワクチンの有効性と重要性はいろんな箇所で触れており、それを補強するための方策として提言されています。「定期予防接種のスケジュールの外であっても必要な人に無料でワクチンを提供する制度」とのことです。外国からどんどん人を呼び寄せることを目指すのであれば、こういう制度も整備していかなければならないでしょう。

そして、この本の中では「キャッチアップ」とは称していないのですが、医師免許を取ってから勉強していない医者が多すぎるとも指摘しています。抗生物質の使い過ぎもそのあたりが原因の一つなのだとか。そういう医者たちを最新医学にキャッチアップさせるためにはどうすればいいか。これも大事な問題でしょう。

さて、インフルエンザについては、新しい薬が出たことが話題になっています。

gooday.nikkei.co.jpこのゾフルーザについても触れています(p.32)。

この新薬(典拠については略)、小児についても有効性を示すデータがありません。何より副作用や他の薬との相互作用の情報も十分ではありません。大人の研究では治療効果はタミフルと引き分けでした。要するに「タミフルぐらい効くけど、子どもではよく分からない。安全性も分からない」という薬です。お値段はタミフルよりも高いです(新薬は一般的に割高なのです)。 

これは2018年秋の時点の情報なので、今季の流行が過ぎて臨床データが蓄積されれば安全性については信頼できる情報も増えていくのでしょうが、自分や家族を実験台にさせるようなことはしたくないですね。

上記のリンク先でも、タイトルからはプラス面しかわかりませんが、記事の3ページ目にこれは治験の結果に過ぎなくて、臨床で使う場合にはリスクがあることについてはちゃんと書かれてあります。友人からの情報では、感染症学会はゾフルーザについての態度は明らかにしておらず、小児科学会では今季は推奨しないとのことです。

岩田氏の見方によると、視聴者・読者の数が多いテレビや新聞は批判も多いので偽情報が淘汰されやすくなったのに対し、雑誌や書籍は批判の目が行き届かないので未だに出鱈目がまかり通っているとのこと。インターネットの世界も後者ですね。当ブログでも不正確な情報を拡散しないように気をつけていきたいと思います。