id:zokkon:20051105 でもちょこっと触れているが,使いやすい学習英和辞典である東京書籍の『フェイバリット英和辞典』が改訂を重ねて第3版がこの秋に出た。この週末に店頭で現物を見た。あそこで「インスパイヤ辞書」と揶揄するように書いたのは,三省堂の『ニューセンチュリー』〜『グランドセンチュリー』や学研の『スーパーアンカー』が打ち出したユーザーフレンドリーな新機軸を見事に取り入れて,独自の特徴というのはあまりないながらも非常に使いやすくまとめた辞書だからなんだけど,この辞書が他に先駆けて取り入れた特徴も実はあって,それが音声CDを同梱したこと。
といっても出た当初から付けていたわけじゃなくて,初版の第7刷だか何だかという妙に中途半端な時期からだったのだ。市中在庫の引き上げとか大丈夫だったのかな,なんて他人事ながら心配になってしまいますね。
最初は8センチのCDシングルだった。その後はいろんな学習辞書が追随して,第2版からは他の辞書と同様に12センチの標準サイズを付けるようになった。
ところがこの第3版ではCDを付けるのをやめた。学習辞書では初級向けの三省堂『ビーコン英和辞典第2版』も付けてない(ビーコンは初版でも付けてなかった)。ということでトレンドがまた変化しつつあるようだ。学研の『ビクトリーアンカー英和辞典』はCD付けてる。
これが吉と出るか凶と出るか。
考えてみたらCDが付いてれば最初の1回は聴くけど,2回目聴くことはほとんどない。しかも辞書の中身とは連動してなくて,「発音記号が読めないから音で聴かせてほしい」といった要望に対応できているわけでもなく,単なるオマケにしか見えなくても仕方がない。その辺の認識が浸透してきて,「CDなんか外して値段下げてくれ」といった消費者からの要望が目立つようになったという可能性はある。
- 作者: 浅野博,牧野勤,緒方孝文
- 出版社/メーカー: 東京書籍
- 発売日: 2005/11/25
- メディア: 単行本
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