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emirate

 アブダビ Abu Dhabi はアラブ首長国連邦(The United Arab Emirates; UAE)の首都である。ある英和辞典の Abu Dhabi の項に「アラブ首長国連邦の首都」という説明を載せていて,それに関して読者から問い合わせがあった。「国の名前でもあるのだから,『首都』と記載するだけでは不正確ではないか」というもの。研究社のKODで引いてみると,確かに『リーダーズ』で「1) アラブ首長国連邦を構成する 7 首長国の一つ, 36 万; 大油田をかかえる 2) 同国および同連邦の首都, 2.2 万」というような解説がある。Abu Dhabi は Emirate(首長国)の一つだというわけだ。
 そこで駐日アラブ首長国連邦大使館に問い合わせてみると,意外な返事が返ってきた。

アブダビは“アラブ首長国連邦の首都”の表記で間違っておりません。
首長国」とは「国」という表現に困惑される人もいるようですが、意味は「県」に相当し、いわゆるcountryの意味ではありません。ですからアラブ首長国連邦は7つの県つまり首長国アブダビ、ドバイ、シャルジャ、アジュマン、ウム・アル・カワイン、フジャイラ、ラス・アル・ハイマ)で構成されている連邦国家で、首都はアブダビ、です。

 emirateというのは「emir(首長)の権限」あるいは「emirの管轄下にある土地」という意味だが,当事者にとってそれは国ではなく県に相当する権限・領域という意識であるらしい。
 ただし,『リーダーズ』の記述を見ると,アブダビ「県」の一部の限定された地域のことを首都ととらえているようなので,そのあたりもうちょっと突っ込んで聞くべきだったか。「36万」「2.2万」という数字は人口のはずだけど,Wikipedia日本語版では「190万」と,全然違う数字が出ている。移民を勘定に入れるかどうかの違いなのだろうか。