103人のネイティブスピーカーに聞く

『詳説レクシスプラネットボード』ISBN:4010526718
旺文社から去年出た『レクシス英和辞典』の目玉の一つ,「プラネットボード」が書籍化された。インフォーマントに語法に関して「こういう言い方をしますか」という質問をして,容認度をグラフで表したコラムである。表紙に記載された例では

  • be different に続く前置詞は from か than か to か
  • 「自転車を盗まれる」は get my bike stolen か have my bike stolen か
  • She promised Philip to go to London. と言えるか

といった質問が取り上げられている。
発刊当初,「非常にいいが独立した書籍にしてほしい」といった要望を英語/辞書関係の掲示板で見たことがあるが,それが実現したわけだ。単行本化にあたっては,1項目を見開きで完結させ,問題意識の裏付けとなる参考文献の記述を引用した上で,インフォーマントのコメントも属性を明らかにした上でいくつか載せ,著者による「成果と展望」(はしがきに『必ずしも結論ではないことにご留意いただきたいと思います』とある)を参考にすることができる。
結局この辞書は買ってない。プラネットボードはちょっと面白いと思ったけど,その問題意識はあまり共有できなかったから。どうも,指導者の立場から「生徒からこんな質問が出た/生徒がこんな答案を書いてきたがどう対処したらいいか」というようなものが中心で,現実に英語を使用する立場からの疑問ではなかったからだ。つまり,規範がはっきりしているものは,現実の用法が揺らいでいようが規範に従えばいいのだから,あまり迷う必要はない。したがって本書も,教師や教材作成者にはありがたいものだろう。『教師のためのロイヤル英文法』を語法の面で補うものと言えるかもしれない。重なっている部分はあると思うが。