最近Yahoo!ニュースなんかで見かけたニュースに,「ゴルフは中国に原型があった」とかいうのがあるが,直接の祖ではなくても似たようなものがあって不思議ではないだろう。おそらく直接の関係はないだろうから,あえて「ルーツはこっち」と主張しなくてもいいじゃないかと思うが,愛国心なんてのがからむとそうはいかなくなってしまう。だから教育基本法に愛国心がどうのこうのというのを盛り込むなんて問題外じゃ。他山の石とせよ。
ところで,これを見て連想したのが野球のルーツ。OEDで baseball という語の初出例とされているのが,英国の作家ジェイン・オースティン Jane Austen の『ノーサンガー僧院』なのだそうだ。『英語教育青年』5月号 pp. 12-13 に載っていた(奈良女子大の横山茂雄教授の「ラドクリフを読む女」)。
物語の冒頭で、14歳の頃のキャサリンは、[中略]「クリケット、野球(baseball)、乗馬、そして、田園を駆け回る」ことを好んだと作者は記す。この「野球」が現在のものといかほど似ていたか、あるいは違っていたかは不明であるけれど、baseball という語のごく初期の用例であるのは確かで、OED では初出例とされている
- 作者: ジェーンオースティン,Jane Austen,中尾真理
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『ノーサンガー・アベイ』は1817年の作品。今まで,野球の側からこの小説について言及されたのは見たことがなかった。というかオースティンと野球に関係があることすら初めて知ったのだが。