2009年のセンター試験――発音問題で、第一強勢ではないところが問われている?で、
「下線部の発音が異なるものを選べ」の作問って、強勢があるかないかが一番重要なんじゃなかったでしたっけ。
と書かれているけど、ちょっと違うんじゃないかな。forgiveのforやfortuneのtuneに下線を引いて問題にしてはいけないということのようだけど、強勢のない音節は音そのものが一意に決まらないから、その箇所の音を問う設問は成立しないということだと僕は考えている。「下線部は必ず強勢のある音節に引くべし」というルールがあってもいい(超良心的だ)けど、そうじゃなければならないということはないんじゃないかな。例えば、forgive, fortune, formal, format のforのところに下線を引いて、「下線部の発音が異なるものを選べ」という問題は成立すると思うし、別に責められるようなものではないと思う。forgiveのforの音を問うことは意味がないけど、ほかの同じ綴りを持つ(かつ発音が異なる)語との対比なら可能だろう。実質的に「発音」じゃなくて「強勢」を問うものになっているじゃないか、という批判は当然ありうると思うけど、強勢も発音の大きな要素の一つであってこの種の問題の射程に含まれると考えてもそんなに不都合はないと思う。この辺りは識者の意見をうかがいたいところだ。
それより、newbornのほうに抵抗を感じる。このbornは基本的に第2強勢があるものと解するべきなので、強勢が1か所しかないほかの選択肢と異なる。英和辞典には、複合語・分離複合語に複数の第1強勢が存在することを認めるタイプと認めないタイプがあり、後者のタイプだと後ろの要素は基本的に第2強勢がくることになる(ただし複合語・分離複合語で後ろに第1強勢がくるタイプのもあるので油断はできない)。newbornは主に限定用法で使われる形容詞だからなおさら前のほうのアクセントが強くなると思う。第1強勢と第2強勢の区別をすることなく、強勢の有無だけを問題にしているわけなのでOKという考えに立っているのだろうけど。
英語の発音のルールについてはずいぶん前に買った川越いつえ『英語の音声を科学する』(大修館書店)を読み直してみないと。持っているのは初版なんだよね。最新版は第2版だと思うけど「新装版」という表記になっている。どう変わったのかな。
英語の音声を科学する
川越 いつえ
Longman Pronunciation Dictionary も去年改訂されて第3版が出ている。うかつにも知らなかった。CD-ROMがついて実際に発音が確認できるので、IPAが読めない人も便利に使えると思う。
Longman Pronunciation Dictionary
J. C. Wells