表題は清里フォトアートミュージアムで開催中の展覧会のタイトルです。先頃94歳で亡くなったスイス出身の写真家、ロバート・フランクのヴィンテージプリント106点を展示しています。6月29日から9月23日まで。
気がつけば終了まであと数日になっていたので、あわてて会社の休みを取って行ってきました。
9月9日という開催のまさに終盤で亡くなってしまったので、チラシや展示の説明板などは存命を前提にした書きぶりでした。説明板には追悼の言葉が急遽付け加えられていました。
会場の清里フォトアートミュージアムには初めて行きました。清里駅から車で10分ほどの別荘地にあります。宗教法人の真如苑が運営しているようですが、そんな雰囲気は感じませんでした。
バスタ新宿から格安の高速バスで清里方面行き3900円というのがあり、本来はネット予約が必要でバスタ新宿でもチケットは売っていません。しかしダメもとで発車直前に行ってみたら、キャンセルの空席があって乗ることができました。
清里駅ではレンタサイクルを借りました。2時間か3時間かで迷いましたが、余裕を見て3時間1700円。電動アシスト自転車しかなく、ちょっと高いと思いましたが、結果的にはこれが正解。
ミュージアムまではだらだらとした下り坂で、帰りには逆に上り坂がずっと続くことになります。3〜4kmぐらいかな? マラソンで25km地点ぐらいにこういう感じだと絶対に心が折れて歩いてしまうところ。電動アシストで助かりました。(この部分があるので、あえて健康がテーマのブログにこの話題を入れてみた次第)
さて、展示についての感想ですが、ヴィンテージプリントって傷や汚れがわりと多いんですね……。フレームからはみ出したり、鉛直線が必ずしもまっすぐじゃなかったり、みたいな粗の目立つ写真もけっこうあったし、そういう緩さもまた魅力なのかな、と思いました。また、ジャック・ケルアックとは、代表作の写真集「アメリカ人」に序文を依頼したり、一緒に撮影旅行に行ったりして交流があったそうで、今回の展覧会ではそのあたりにも光が当てられており、ビートニクスと感覚的に通じるものがあったのだろうと感じました。メインの展示スペースの外にビデオ上映装置があり、そこでフランクが初めて撮影した映画「プル・マイ・デイジー」を流していたのですが、同作にもケルアックはナレーターとして参加しているほか、アレン・ギンズバーグやグレゴリー・コーソといったビート人脈が出演しています。
今回は会場の収蔵作品で構成されていたので、1960年代以前の作品が中心でしたが、キャリア全体を見渡すような展覧会があったらまたおもしろいだろうなと思いました。映画制作中心の時代をくぐり抜けてどう変わったか、とか。実現は難しそうですが……。
[追記」この展覧会に限らず、清里フォトアートミュージアムの入館料はセゾンカードかJAF会員証の提示で割引になります。持っていってなかったので今回使えなかったのは痛恨……!