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50代男性が健康と幸福を追求する日常をつづります

アパート経営はするな!

標題のタイトルの本を買ったのは7月か、8月上旬だったかな。3月の震災後の状況を反映した不動産投資指南本はあるのだろうかと思って探していたら行き当たったのがこれ。これからは入居者を確保するのに今までよりもお金がかかるようになるから、不動産投資は勧めないよ、という本。すでに空室率はかなり上がってきてるし、これからはもっと借り手に有利になるよ、と。土地を持っていてアパート経営を考える人が主な対象だが、区分所有で考えている人にも参考になると思う。著者の須田忠雄氏は株式会社やすらぎという会社の創業者で、近年は「競売物件をリフォームして低価格で販売する事業で急成長」させた人だそうで、その人が不動産投資に見切りをつけたというわけだから説得力がある。と思う。

アパート経営はするな!―賃貸経営の落とし穴
須田 忠雄
4903175340

僕がそもそも不動産に興味を持ったのは、自宅を購入する際の参考にしようと思って倉橋隆行著『不動産投資、成功の方程式』(朝日新書)を読んだのがきっかけ。その後、石川貴康・内藤忍共著『不動産投資×証券投資 最強のハイブリッド投資術』(東洋経済新報社)なんかを読んだりして、作戦を練ってきた。ほかにもたくさん出ているんだからもっと読みまくってもいいんだけど、この狭い範囲に関して言えば、基本的に著者の成功体験に基づいて書かれた本だから、すぐお金の借り方なんて方向にいってしまって、これからの環境悪化に対する備えをどうするかという視点がほとんどないんだよね。賃貸物件が供給過剰になって、条件の悪いところは借り手を確保するためにリフォームしたり家賃を下げたり管理にお金をかけたりする必要がこれまで以上に出てくる。だから出口戦略というか、どれだけのリターンを目指してどれぐらいの期間その物件を保有するか、そしてどうやって手放すのがいいのか、という観点から計画を立てることが大事だろうなと思う。ところが、これまで成功してきた人というのは、拡大戦略一辺倒になりがちだという印象を受けた。そして上記の2冊とも、レバレッジをかけられるのが不動産投資の旨味だとしている(つまりローンを組んで物件を購入して、ローン返済額を上回る家賃収入を得る)のだから、家賃収入が予定通りに入らずうまく回らなかった場合に、資金力に乏しい普通のサラリーマンは非常に危険な状況に陥ることは明らかだ。

不動産投資、成功の方程式 (朝日新書)
倉橋 隆行
4022733039

不動産投資×証券投資 最強のハイブリッド投資術
石川 貴康 内藤 忍
4492732721

とは言っても、当時登録した不動産会社のメルマガとかで魅力的な物件を見つけたら心が動くのもまた事実なのであった。先日も三軒茶屋の1DKで築40年、価格580万円というのが出ていて、これなら月7万で貸せるとして諸費用を除くと実質月5万、10年保有してトータル600万だからそこで転売すればその分がまるまる利益か……とかね。実際には空室になる期間もあるだろうから10年で500万あるいはもっと低いかもしれず、賃貸に出す前のリフォームも必要になる可能性が高いし、その期間内のメンテナンス費用もちょっと見当がつかないから、そんなに旨い話でもない。10年後に売却するときの価格も気になるが、これは今の段階ではちょっとわからない。古い物件では収益還元法で価格を決めるからそう大きく下落することはないとも言われるが……。この物件で表面利回りが15%近くあるんだけど、最近は表面利回りが6%台ぐらいのが多い印象。レバレッジをかけるリスクをとらず全部自己資金でまかなうとしても、それほど有利な投資でもないというのが結論になる。

現代アートを買おう!

昨今の経済情勢ではなかなか普通の金融商品への投資には踏み出せない、という人にお勧めできるオルタナティヴ投資は何かな、と考えていて、亡父の成功体験から思いついたのがアート。
そういえば新書でそれっぽいのがあったはず、と思って手に取ったのが集英社新書の『現代アートを買おう!』。ただし、読んでみるとこれは現代美術に投資して儲けよう、という本ではない。著者の宮津大輔さんは広告代理店勤務のサラリーマンで現代美術のコレクターだが、これまでコレクションを売却した経験はないという。純粋に現代美術を愛する人なのだ。
現代美術の醍醐味はアーティストとの交流にあるというのが宮津氏の意見で、20年にわたるコレクター歴を通じて広げてきた人脈は相当なものだ。驚くようなエピソードも披露される。あげくに建築家ではなくアーティストに設計を依頼して家を建てたのだが、その建築プロジェクト(ドリームハウスプロジェクト)は現在も進行中なのだという。素晴らしい人生だ。
購入方法からその後の作品の保管方法、美術館から貸し出しの依頼があった場合の対処法なども触れられていて、興味深い。
しかし垣間見える苦労も並大抵ではなく、気軽なオルタナティヴ投資といった趣からはほど遠いことを知るばかりであった。

現代アートを買おう! (集英社新書)
宮津 大輔
4087205444

山岡洋一さん

昨晩、Twitterfacebook経由のある方の書き込みで山岡洋一さんの訃報を知り、大きなショックを受けている。
山岡さんはご自身が経済分野を中心とする社会科学系の翻訳の第一人者であったと同時に、オンライン雑誌「翻訳通信」の発行などを通じて後進の育成にも力を注いでこられた。早くからコーパスの有用性を認めて、「英和訳語用例データベース」を作成・公開して翻訳のための環境整備も行なって翻訳の質の向上に心を砕くのと同時に、翻訳という仕事が労力に見合った対価を得られるべきとの持論を浸透させるためのさまざまな働きかけも行なってこられた。
62歳。翻訳書の出版をとりまく環境がますます悪化するなか、山岡さんのお力が必要になる局面はまだまだあったはずだと思う。今はご冥福をお祈りするのみ。

国富論 国の豊かさの本質と原因についての研究(上)
アダム・スミス 山岡 洋一
4532133262

国富論 国の豊かさの本質と原因についての研究 (下)
アダム・スミス 山岡 洋一
4532133270

ヒットメーカーの寿命

賞味期限についてこのところよく考える。村上春樹が翻訳について語るときによく持ち出すあれのことである。耐用年数という表現だったか? 紀伊國屋書店の本棚で見かけた2009年1月1日(奥付)刊行の『ヒットメーカーの寿命』を買ったときに頭にあったのもそのことだ。副題は「阿久悠に見る可能性と限界」。帯には「マーケティングの天才の『成功法則』は、なぜ15年しか通じなかったのか?」とある。

ヒットメーカーの寿命―阿久悠に見る可能性と限界―
高澤 秀次
4492556281

阿久悠の「初の本格的評伝」だそうだ。「15年しか」とあるが、15年も第一線で活躍し続けたのは大変なことに違いない。もしかしたら、この本の内容に対して感じた違和感は、「15年しか」ととらえるか「15年も」ととらえるかの違いによるのかもしれない。というよりも、著者は「作詞家としてのピークは「1977年」前後か」(原文は漢数字)という一節もあるように、本当は80年代以降すでに阿久悠の賞味期限は過ぎていたことを理解していながら、賞味期限の到来を早めた‘時代’に責めを負わせるような筆致に流れてしまったのではないか。その部分に対して、読み手としていらだちを感じたのだろうと思う。
特にそれを感じたのは「『沢田研二』人気が失速した理由」のあたり。第3章「パロディを多用する意味」、第4章「何が『阿久悠』を生み出したのか」のなかにし礼とのライバル関係のところなんかは、実際に読んでみておもしろかったのだが。
沢田研二の人気が下がっていったのは、70年代という「女性の時代」にあってなんとか独自のポジションというかキャラ作りに成功した(そしてその功績の多くは阿久悠に帰する)が、要するにその後の時代の変化についていけなかったというのがこの本の書きぶりである。彼ら70年代の主人公たちが退いた後、ユーミンに代表される「私」を前面に押し出した歌詞の世界を展開するニューミュージック系の人たちが台頭して、その流れが90年代のJ-POPにつながるという解釈。大筋としては別に間違ってはいないと思うのだけれど、何か大事な部分を取り上げそこねているんじゃないかという気がする。
阿久悠にしろ沢田研二にしろ、70年代はシングルが勝負の舞台だったのだ。それが80年代以降、家計の可処分所得も増えるから売上の主体はアルバムに移っていく。流れに乗れたか乗れなかったかは結局そこのところが大きかったんじゃないかと思う。「ニューミュージック」の何が新しかったかというと、阿久悠とかの職業作家が作ったお仕着せの商品ではないものを歌うというイメージそのものであり、そのイメージの中にはシングルではなくアルバムを活動の主体とするという要素も含まれていたはずだ。僕が記憶しているかぎり、「アルバム」という呼び名が一般化するのも「ニューミュージック」が人気を得ていく過程と時期的にほぼ一致する。もともとは英語からの直輸入だが。それ以前はLPと呼んでいたのが、70年代後期あたりから、LPはプロダクトとしての名称、アルバムは作品を収納するフォーマットとしての名称として分化してきた。作品が構築する世界を論ずるよりも、そういった経済的な生態系の変化に着目するほうが僕なんかはおもしろいと思うのだが、それはないものねだりと言うべきかもしれない。沢田研二なんか、絶頂期でも常に「LPは5万枚ぐらいしか売れない」とされていた。「勝手にしやがれ」「サムライ」「憎みきれないろくでなし」といったヒット曲を収録した『思いきり気障な人生』は30万枚売れたらしいが。

思いきり気障な人生
阿久悠 沢田研二
B000793BW8

沢田研二阿久悠以外の作詞家とも組んで大きなヒットをいくつも飛ばしており、阿久悠が創り上げたキャラクターから脱皮することもある程度は成功していた。それでも人気が落ち込んだというのは、賞味期限が来たとしか言いようがないような気がする。「1万時間の法則」という、ある技能を習得して一流の域に達するには訓練の期間として1万時間を要するという説があるが、それの裏返しで、大衆への露出が一定の時間を超えてしまうとどんなすぐれた作品を発表しても飽きられてしまう、というような……。
象徴的だと思うのは、82年の『ミスキャスト』という不吉なタイトルを冠したアルバムだ。井上陽水に書き下ろしを依頼して、白井良明をアレンジに起用した意欲作……だったはずだが、このあたりから人気の凋落が始まった。大麻事件の影響でおとなしくしていた陽水が、入れ替わるように浮上してくるのは不思議な巡り合わせだった。

MIS CAST
井上陽水 沢田研二
B000793BZ0

LION&PELICAN
井上陽水
B00005J4KV

悩ましい翻訳語

科学分野の翻訳家/フリージャーナリストの垂水雄二氏のエッセイ。科学用語で日本語に定着した訳語のうち、原語の意味から離れてしまっているもの(要するに誤訳)などを検討している。概念や事物自体がもともと日本に存在しないものを言葉として造り出す際にはさまざまな誤解が入り込む余地があった。中国語での漢字の用法まで目配りが利いている箇所も多数あり、なるほどと思う。
ただ、「今さらそれを言ってもしょうがないんじゃないの」という面がある言葉もそれなりにあるのは確か。「恐竜」も一種の誤訳だと言われるが、本書での説明は次のようなもの。まず、英語のdinosaurusはギリシア語のdeinosとsaurusをつなぎあわせたものである。

このdeinosは形容詞で恐ろしいという意味があり、saurusはトカゲすなわち爬虫類という意味で使われているので、英語ではterrible lizardと訳されてきた(『オックスフォード英語大辞典』でもそうなっている)。これが日本語(および漢語)では恐竜と翻訳されたのである。

ところが近年、[リチャード・]オーウェンはdeinosを最上級、つまり恐ろしいほど大きな、という意味で使っていたことが明らかになり、fearfully great, a lizardが正しい英訳だとされるようになった(スミソニアン博物館でもこちらを使っている)。そうなると恐竜は一種の誤訳という話になってしまう。もはや取り返しがつかないのは、言うまでもない。(p. 105)

英語でも誤訳してるんだから重訳したものが間違っていてもしょうがないし、「恐ろしい」なんて主観的な語を額面通り受け取らなきゃいけない理屈はないから「恐竜」でもいいようなものだが。だいたい大きくない恐竜だっていくらでもいるし、そもそもの命名がおかしいという話にはならないのだろうか。それにfearfully great, a lizardなんて説明的な言い方は自立した訳語と言えるのか。

読んだときに付箋を貼った箇所は、その意図を忘れてしまったが、もしかしたら記述の怪しい部分を含め、気になった箇所だと思う。

生け花によく使われるカスミソウの英名baby's breast[ママ]もしゃれている。和名は全体的な植物の姿をよくとらえているが、英名は小さな白い花の一つ一つを赤ん坊の吐く白い息に喩えているわけだ。(p. 46)

カスミソウの英名はbaby's breath.breastだと「胸」になってしまう。

材木としての木の特性は、植物学的には材と呼ばれる木質部によっているが、これもwoodと呼ばれる。というようなことを考慮すると、woodsというのは森の大きさだけで使われるのではなく、用材林として、頻繁に人間が出入りする森という含意があるらしい。(pp. 60-61)

[公害]はある意味で政治的な誤訳である。pollutionはどう考えたって汚染でしかない。公害というのはもともと、英国における法律用語の翻訳である公的生活妨害(public nuisance)を縮めたものである。これはある行為が特定の個人ではなく、地域共同体全体に被害をもたらすことに関する民法上の不法行為、刑法上の犯罪を指す言葉である。(p. 66)
(……)
公害と深く関係した言葉で、やはり政治的な誤摩化しのある訳語はpesticideの「農薬」である。この単語は文字通りには、post(害虫、有害動物)をcide(殺すもの)という意味であり、殺虫剤にほかならない。(p. 67)

人間の老化を専門に研究するのは老人学(gerontology)で、老年学、老年医学、あるいはカタカナ読みで、ジェロントロジーと呼ぶ(この語の初出は1903年、老人病学を意味するgeriatricsは1909年が初出)。(p. 82; 原文の年号表記は漢数字)

エソロジー[動物行動学ethology]の成果の一つは、動物の行動のメカニズムとして、生得的解発機構を明らかにしたことである。この説を単純に要約すれば、特定の行動に対する欲求が高まったとき、適切な刺激(これをリリーサーreleaserと呼ぶ)が与えられれば、抑制が解かれて行動が解発(release)されるというものである。(p.130)

これは「解発」という語が目新しくてメモしたものと思う。

神人同形同性説 anthropomorphism
多くの英和辞書にはこの訳語がまず出てくるが、神話学や宗教学に関する本でないかぎり、この訳語はまちがいである。これは「擬人主義」ないしは「擬人観」と訳すべきものなのである。(p. 145)

inbreedingのもっとも一般的な訳語は近親交配で、人間では血族結婚や近親婚と訳されることが多い。遺伝学では「近交」という短縮形が一般に用いられ、近交を繰り返すことによってできた系統を近交系(inbred line)と呼ぶ。(p. 153)

この単語[transformation]は、きわめて多様な使い方をされるので、場面によっては訳し分ける必要がある。まず言語学では「変形規則」、経済学では「転化」、電気分野では「変圧」、鉱物学では「(相)転移」といった具合である。(p.161)

悩ましい翻訳語―科学用語の由来と誤訳
垂水 雄二
4896949463

外国語を身につけるための日本語レッスン

三森ゆりか著、白水社から2003年刊。内容が簡潔にタイトルとして凝縮されている。素晴らしい。中身も当然充実している。僕の持っているのは11刷。
以下、抜き書きと内容のメモ。

外国語を学ぶ際には、最初に基本的な文の構文に着目すると、その言語を操る人々のものの考え方がある程度理解できるようです。文の組み立て方を単なる文法として頭に叩き込むだけでなく、なぜそんなふうに組み立てられているのか、その影響がものの考え方や長い文章の組み立て方にどのように反映されているのか、日本語の場合とはどのように違うかなどの点について十分な考察をすることは、一見遠回りのようですが、実は外国語習得への近道になるでしょう。(p. 101)

「対話」で相手に考えを伝える際の、ナンバリングとラベリングの重要性

印象を伝える際にも、構成要素を分析的に取り出して相手に伝えるように日頃から留意すれば、会話も弾むし外国語学習も進歩する。

「どうだった」とたずねる質問には、続けて自分の尋ねたい事柄を具体的に示さなければ、返答者は自分勝手に解釈して答えるので答えが拡散してしまう。

ドイツは、「議論の文化」と呼ばれるほど議論が好まれる社会です。それこそ口角泡を飛ばすように議論をするのに、なぜか喧嘩に発展しないことが私には不思議でした。そのうちにかれらが議論の最中に多用する言葉があることに私は気づきました。それがこの「たしかに(なるほど)……でも(しかし)」です。激しく主張を応酬しあっているのに、「なるほどその点については君の言うとおりだ。僕も認めるよ。しかし、別の観点から考えると……」といった具合に議論が展開するので、お互いに冷静さを失わず、結局のところ喧嘩には至らずに議論をし続けることができていたのです。(p. 156)

道案内の際には、全体の見通しを示した後で、部分の詳しい説明をするとわかりやすくなる

これは当たり前だが日本人はその訓練がなかなかできていないということかな。

外国語を身につけるための日本語レッスン
三森 ゆりか
4560049882

30代からはじめる投資信託選びでいちばん知りたいこと

40代半ばなのでもう遅いかなと思ったけど、編集担当の方にTwitterで訊いてみたら長期投資を考えているなら当然役に立つはず、ということだったので(考えてみれば当たり前)、モーニングスター(株)代表取締役の朝倉智也氏が書いた本を買ってみた。

30代で金融商品を買い始めた頃には投信の積み立てもやってたんだけど、小金が貯まってくると、配当とか値動きの情報が入りやすい国内の個別株式に傾斜していって2008年の金融危機と先頃の震災ショックで大きな痛手を受けて今に至る。で、国内株式はこの先けっこう暗いだろうし、そんな環境でも利益を上げるために一生懸命頭を悩ますのもばかばかしいので、海外の株式なり債券なりに投資できる投信で運用しようと思った次第。森智紀『ほったらかし海外ファンド成功法』(東洋経済新報社)も買ってみたんだけど、シンガポールのシティバンクか香港のなんとかという銀行で口座を開くのが安全、とか書いてあったので実践は難しいと思った。

この本に載っている計算方法で必要な資産を割り出すと、あと20年で2000万円ぐらいためればいいはず。初期資金200万に毎月ずつ2万積み立てていけば、7%の利回りがあれば1800万になる計算なので、ほぼ十分だろう(と考えていたけど年金の支給年齢が70歳に引き上げられるという話も出てきたのでこの前提はちょっと狂ってしまった)。

とはいうものの、このご時世に7%の利回りは大変なもの。この本ではどうやってそれを実現させようと提案しているかというと、国内の投資先は無視して、海外の株式・債券、それに金に分散投資して年1回リバランスするというもの。海外は先進国と新興国の投資比率を1対1にする。たしかに、仕事も不動産も国内なんだから、日の沈む国でこれ以上リスクをとることはないよね。なお同時期に買った週刊東洋経済5/21号「それでも円を信じますか 海外投資のススメ」では、リターン7%を目指すポートフォリオは新興国株式8・新興国債券2というさらに大胆なものだった。そう考えると先進国の株式・債券の比率はもっと下げていいのかもしれない。

そして、モーニングスターのサイトで投資信託の比較をする方法も懇切丁寧に説かれているので、ここでしっかり選んでおけば、年に1回の見直しだけで十分な資産が築けるはずだ。

というわけで今月の給与が入ったら早速積み立てを開始する手はずを整えた。先進国株式はアクティブファンド、先進国債券・新興国株式・新興国債券はインデックスファンドで。ただ選んだ先進国株式のファンドは積み立て単位が1万円以上だったので、本書推奨とは異なるバランスになってしまった。あと金をどういう形で組み入れていくかはまだ決めていない。それと、初期の200万円はどういう形にすべきかまだ迷っている。ドルコスト平均法の有利さを享受するために積み立てにしたのだから、いっぺんに突っ込んじゃったらダメだよね。ETFでも買うか、と思ったけど7%で回せるものなのか。

30代からはじめる投資信託選びでいちばん知りたいこと
朝倉智也
4478014779

投資初心者でも資産10倍に!? ほったらかし海外ファンド成功法
森 智紀
4492732780