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50代男性が健康と幸福を追求する日常をつづります

「情報創造」の技術

光文社新書三浦展『「情報創造」の技術』なかなかおもしろかった。読んだのはだいぶ前だけど、自分で付箋を貼った箇所をメモしておく。

第1章 情報創造はなぜ必要か?

pp. 42-43 『アクロス』編集長時代、スタッフに企画を出させるため、1人10本の企画を出すように命じた。2,3本だと自分でよさそうなものを選んでしまうが、10本だとつまらないものも含めて何でも出さざるを得ない。まさに玉石混淆。しかしその中に「玉」がある。

ああ、なるほど、そんな見方もあるのか、それは面白い、なんでもっと早く言ってくれなかったんだと思うような企画が出るんです。スタッフは勝手に自粛していたんですね。

第2章 情報創造の方法

「知識を身につけるには、いろいろな人に会え!」
ああ、そんなことを書いていた人もいたな、それでなるほどと思って実践しようとしたけど結局そんなに会えなかったという年があった。ダメだなー。ちなみにそのなるほどと思ったのは勝間和代の本。

それから、ちょっと関係ないかもしれませんが、茂木健一郎さんが司会をするテレビ番組に将棋の羽生善治名人が出演して、茂木さんに次の一手をどう指すかをどうやって決めるのかと聞かれました。すると羽生名人は最終的には好き嫌いですと答えました。それで茂木さんが「好き嫌いですか!」と驚いていたのですが、これと情報発信は近いところがあると思うのです。
将棋の達人同士の戦いでは、百手くらい先まで読むのだそうです。確率的には何万通りの手がありうる。そこから勝つ確率のいちばん高い手を指せばよさそうですが、それだと相手に読まれてしまう。じゃあ、どういう手を指すかというと、好き嫌いであり、そのときの感覚的なものであるというわけです。

p. 84 これどういうつもりで付箋を貼ったのか覚えていないけど、凡人は百手も読む前に好き嫌いで決めちゃうよね、と思ったのだろう。今思うと、だから何だというような話ではあるが話の種としてはいつか使えるかもしれない。

「分析するときは『短期』『中期』『長期』に分けて考える」

第3章 情報の収集と整理

情報創造を仕事にするときに、図書館のように形式的で、固定的な分類方法で、いつも同じような情報を収集・整理することは間違いです。収集の対象、内容、分類ジャンルは、そのときどきの仮説に従ってつねに変化するべきなのです。少なくとも半年に1回は収集の対象、内容、分類ジャンルを見直した方がいいと思います。(略)そのように収集の対象、内容、分類ジャンルを見直さなくてもいいとしたら、それは新しい仮説が出ていないということなのです。それこそがとても問題なのです。

p. 140 情報の棚卸しをするといいよ、というような表現で似たようなことを書いてある本もあったような気がする。これ読んでから、仕事のパソコンのファイル構成もプロジェクトごとにちょっとずつ変えるようにしているがますます混乱してきたようにも思う。

情報を頭に定着させるにはアウトプットをすることです。(原文には傍点あり)(中略)ただし、ツイッターでつぶやいたり、ブログに写真を貼りつけたりするだけでは不十分だと思います。ちゃんと人に見せて説明するものをつくるつもりで文章を書いたり、写真を貼りつけたりしないといけません。

pp. 165-6 これは耳の痛い話だがわざわざ付箋を貼る意味はどこにあるのかと思うようなことでもある。よっぽど深く反省したのか。その割には……。

第4章 情報創造の事例

「傍証に必要なデータの存在を知っておくことが大切」
これは勤め先から近々刊行が予定されている書籍でも若手の英語教師に向けた助言として著者が繰り返し強調しているところで、編集者なら当然意識していてしかるべきことだが、一般企業に勤めている人でも同じだと思う。

「情報創造」の技術 (光文社新書)
三浦 展
4334035639

ところで新書判の本をパソコンで写経するのは、文鎮代わりのほかの本がうまく重しになってくれず難しかった。書見台みたいなのを用意すればいいんだけどね。

311以後

ここで日記を書くのはほぼ月に1回になっていて、見る人も数人レベルだと思うけど、途切れるのはしゃくなので記録だけは残しておこうと思う。

3月初めに引越しをして以来、日記としては、紙のノートに領収書を貼り付けて、それに対する注釈のようなメモを残すことにしようと考えていた。引越しからほんの数日で大震災に見舞われ、直接的な被害はなかったものの、原発の事故の影響は飲み水や食糧調達に現れていて、どこまで残るかまだ読めない。あと、株式も大きく目減りした。特に配当目当てで買ってあった東電……。まあそんな小さいことより、東京で働くという選択の価値が大きく揺らいだことによるショックから未だに抜け出せないでいる。これについてはまだうまく書けない。

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quality start

livedoorスポーツで見たリアルライブの記事「ペナントレース突入後に去就が決まる? 川上憲伸の辛いキャンプイン」で「クオリティ・スタート」という野球用語を知った。佐藤尚孝編著『ベースボール英和辞典』(開文社)にも載っていて、「優秀先発(投手)」という訳語を当てている。解説もついていて、「先発して6イニング以上を投げ,自責点が3点以内の投手に記録される」とある。日本ではよく「試合を作った」などというが、曖昧な印象論ではなくて、明確な数値基準があるわけである。Wikipediaにも項目(日本語版英語版)がある。

最新MLB情報 ベースボール英和辞典
佐藤 尚孝
4875718071

ユーロ連鎖不況

PHP新書の中空麻奈『ユーロ連鎖不況』。ギリシャ、アイルランドの危機からの連想で、巨額の財政赤字を抱える日本が危ないという本。まあ確かに危ないんだろうけど、ユーロ圏からすぐに飛び火するという論調にはわりと個人的に疑問が。
本としては、編集にあまり手をかけてないと感じた。「そこは注があったほうがいいんじゃないの」という箇所に注がなかったり、言葉遣いとかの面で。たとえばp. 133、「バッドバンク」という語は初出だが注がない。p. 151、TALFも初出で、「MBSの買取スキーム」だということは文章からわかるが、何の略語なのかを示した上で、もう少し丁寧な注があればいいと思った。
英和辞典的な情報面では、p. 113の注10は有用だった。

PIIGSは当初アイルランドを入れず、PIGS(豚)と呼ばれてもいました。他にPIIGSの頭文字を入れ替えて、GIPSI(ジプシー)とも呼びましたが、それぞれ、豚やジプシーというどちらかというと品のない差別用語的な要素があることから、欧州では現在、GIIPS(ジップス)と呼ぶことが多いようです。

でもGIIPSを検索しても海外メディアからのニューズレター類でほとんどヒットしないんだよね。おそらく僕の観測範囲から外れているところで使われている言葉だと思う。

ユーロ連鎖不況 (PHP新書)
中空 麻奈
4569791913

スパム

携帯電話でGmailをチェックしていたら、送信元がGmail, タイトルがYour Accountとなっているメールがあったので開いて見たらこんな感じ。

We've received a request to permanently remove your Gmail from our Google Account.Once Gmail is removed, you won't be able to send, receive, or access previous emails from your Gmail address and lose all of your Gmail data.Within 7days of this request, your Gmail address will be deleted.
If you don't want to remove Gmail from our account,please filling the space below for verification purpose by clicking the reply button.

返信しなきゃと一瞬思ったが、英語が間違っているから迷惑メールだろう。本当のGmail teamだったら、ピリオドやカンマの後ろにスペースを空けないとか、please filling といった文法的におかしな英文をよこすことはありえないからね(正しくはplease fill in)。冒頭のWe've receivedもサービス運営会社がカスタマー宛に送るメールの文面としてはくだけすぎだろう。

いまパソコンで詳細を確認したら、送信元のメールアドレスはmailreplydatabase@gmail.comで、送信先はsupport@google.comだった。この程度のスパムはちゃんとスパムと判定してくれてるかと思っていた。

Gmailクラウド活用術
山路 達也 田中 拓也
475721782X

ブラインド・サイド

今は武田ランダムハウスという、製薬会社が外国の出版社と合弁会社つくったみたいな社名になっているランダムハウス講談社から出ていた『ブラインド・サイド』、秋から少しずつ読み始めてようやく年末に読了。
「年棒」という間違った表記が随所に出てきて、というか年俸のことを全部この字で表記していて、そのたびにいらいらして放り出していたらめちゃくちゃ時間がかかってしまった。これは訳者が間違えたのか、編集者が一括置換してこういう字にしてしまったのかどっちだ。
で、アメフトの黒人選手マイケル・オアーを主人公とするノンフィクション、サンドラ・ブロック主演で映画にもなり、本国(米国)では原書がベストセラーにもなったらしいのだが、翻訳は全然売れてないと思う。版元のごたごたが影響したのかもしれないが、まあアメフトという題材ではどのみちそんなに売れないだろうな。映画も日本では別にヒットしなかっただろうし。
ぼくもご多分に漏れずアメフトは詳しくないし、ここに描かれている戦略の変化なども実際の試合を目にして実感できそうもない。でもまあプレイヤーの視点に近いものだし『マネー・ボール』のマイケル・ルイスの著作だし、おもしろかった。
タイトルのブラインド・サイド blind side は「死角, 見えない角度; 弱点」(ウィズダム英和辞典)という意味で、特にこの場合(右利きの)QBからみて左側がそれに当たる。
Dictionary.comを見ると、Collins English Dictionary では「ラグビーでスクラムと近い側のタッチラインの間」という語義を示している。英国の辞書だからアメフトの用法については載ってないのか。

ブラインド・サイド アメフトがもたらした奇蹟
マイケル ルイス 河口 正史(監修)
4270005386

RRG

ロックンロール・ジプシーズなんと5年ぶりという第3作は7月終わりに発売になっていたが、買うのを忘れていてやっと入手。市川勝也が正式にメンバーとしてクレジットされている。The Roosterz時代のKAMINARIに所収の Oh! My God と Crazy Romance の2曲が入っているというのを楽しみにしていた。
ROCK’N’ROLL GYPSIES III
ROCK’N’ROLL GYPSIES
B003N4TPZ6
で、聞いてみたら……とくに Oh! My God なんかアレンジは原曲とほとんど同じ!リズム隊の安定感が抜群で、あああるべき音を自分で補正しなくていいのは気持ちいいなーと思った。当時のルースターズのメンバーが聴くとつらいかもな……。
KAMINARI(紙)
THE ROOSTERZ
B0000BZ5PX