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50代男性が健康と幸福を追求する日常をつづります

30代からはじめる投資信託選びでいちばん知りたいこと

40代半ばなのでもう遅いかなと思ったけど、編集担当の方にTwitterで訊いてみたら長期投資を考えているなら当然役に立つはず、ということだったので(考えてみれば当たり前)、モーニングスター(株)代表取締役の朝倉智也氏が書いた本を買ってみた。

30代で金融商品を買い始めた頃には投信の積み立てもやってたんだけど、小金が貯まってくると、配当とか値動きの情報が入りやすい国内の個別株式に傾斜していって2008年の金融危機と先頃の震災ショックで大きな痛手を受けて今に至る。で、国内株式はこの先けっこう暗いだろうし、そんな環境でも利益を上げるために一生懸命頭を悩ますのもばかばかしいので、海外の株式なり債券なりに投資できる投信で運用しようと思った次第。森智紀『ほったらかし海外ファンド成功法』(東洋経済新報社)も買ってみたんだけど、シンガポールのシティバンクか香港のなんとかという銀行で口座を開くのが安全、とか書いてあったので実践は難しいと思った。

この本に載っている計算方法で必要な資産を割り出すと、あと20年で2000万円ぐらいためればいいはず。初期資金200万に毎月ずつ2万積み立てていけば、7%の利回りがあれば1800万になる計算なので、ほぼ十分だろう(と考えていたけど年金の支給年齢が70歳に引き上げられるという話も出てきたのでこの前提はちょっと狂ってしまった)。

とはいうものの、このご時世に7%の利回りは大変なもの。この本ではどうやってそれを実現させようと提案しているかというと、国内の投資先は無視して、海外の株式・債券、それに金に分散投資して年1回リバランスするというもの。海外は先進国と新興国の投資比率を1対1にする。たしかに、仕事も不動産も国内なんだから、日の沈む国でこれ以上リスクをとることはないよね。なお同時期に買った週刊東洋経済5/21号「それでも円を信じますか 海外投資のススメ」では、リターン7%を目指すポートフォリオは新興国株式8・新興国債券2というさらに大胆なものだった。そう考えると先進国の株式・債券の比率はもっと下げていいのかもしれない。

そして、モーニングスターのサイトで投資信託の比較をする方法も懇切丁寧に説かれているので、ここでしっかり選んでおけば、年に1回の見直しだけで十分な資産が築けるはずだ。

というわけで今月の給与が入ったら早速積み立てを開始する手はずを整えた。先進国株式はアクティブファンド、先進国債券・新興国株式・新興国債券はインデックスファンドで。ただ選んだ先進国株式のファンドは積み立て単位が1万円以上だったので、本書推奨とは異なるバランスになってしまった。あと金をどういう形で組み入れていくかはまだ決めていない。それと、初期の200万円はどういう形にすべきかまだ迷っている。ドルコスト平均法の有利さを享受するために積み立てにしたのだから、いっぺんに突っ込んじゃったらダメだよね。ETFでも買うか、と思ったけど7%で回せるものなのか。

30代からはじめる投資信託選びでいちばん知りたいこと
朝倉智也
4478014779

投資初心者でも資産10倍に!? ほったらかし海外ファンド成功法
森 智紀
4492732780

フランス生まれのブロックメモRHODIA

新しめのデジタルガジェットとからめて情報整理術を手早く解説する感じの本、最近たくさん出ていて、なぜかまめに買ってる。自分でもいい加減にしろと思いつつまた買ってしまったのが戸田覚著『フランス生まれのブロックメモRHODIA』(ソシム)。フランスのお洒落なメモとかノートを製造・販売しているロディアの紹介本だ。ロディアと同じ配色のカバーが美しかったんだ……。
今気づいたけど、帯に「Evernoteとの連携方法も解説」と書いてある。解説といってもスキャンしてEvernoteに保存しよう、ファイル形式はJPGでもPDFでもお好みで、というぐらいでそんなに大仰な話は書いてない。
新宿西口のブックファーストでは、ブロックメモNo. 11が入る薄いビニールのカバーがおまけみたいについていた。でも入れてみると表紙が反り返ってしまうので使う気にはならない。

この本はRhodiaの活用法を紹介しているだけではなくて、冒頭のところでフランスまで製造元に取材した写真が載っていて、第1章では歴史などにも触れているのがうれしい。万年筆や水性のペンに馴染む紙質のよさが個人的には大きなポイントなのだが、その理由も明かされている。

フランスの小学校では、80グラム/m2の紙を使うように指定されている。厚めの良い紙を使う文化が根付いていて、法令で基準まで定められているのだ。だから、良いノートを提供するために、紙まで作るのが必然だったのだ。(p. 33)

裏写りを防ぐためには、パラフィンを入れます。紙の真ん中にパラフィンを多めにして、裏表の表面にはパラフィンは少なくします。すると、真ん中でインクが留まって裏写りしづらくなります。これによって、万年筆など濃度の薄い水性のインクも裏写りしなくなります。さらに、ある程度の抵抗があるので、ボールペンでうまく書ける抵抗が生まれますね。たった0.1パーセントのパラフィンも重要なわけです。(p. 50)

フランス生まれのブロックメモ RHODIA その魅力と活用術
戸田覚
4883377644

逃亡のガルヴェストン

表紙のイラストと「ガルヴェストン」という地名に惹かれるものがあって買ったハヤカワポケットミステリ。ガルヴェストンはテキサス州のメキシコ湾岸にある町。帯には「〈ポケミス新世代作家〉連続刊行第3弾」と書いてある。
主人公は取り立て屋でボスにはめられて殺人事件に巻き込まれ、現場にいた若い娼婦と逃亡する。別に解けない謎が提示されるわけではなく、2人の運命も第2章(本の中では単なる「2」という表記)で早くも明かされるので、読者としては謎解きの楽しみではなく、登場人物たちがどうやって運命から逃れようとしていくか、その行動を追うストーリーを味わって読むことになる。
この娼婦が、かなりの美人で実は頭もいいという設定なのがファンタジックな空気を醸し出していると思った。味わいとしては小品かな。あと、僕は聴いたことないけど、主人公はビリー・ジョー・シェイヴァー Billy Joe Shaver とかのカントリー音楽が好みだというのが自分にとっては目新しかった。
逃亡のガルヴェストン (ハヤカワ・ミステリ)
ニック・ピゾラット 東野 さやか
4150018472
Old Five & Dimers Like Me
Billy Joe Shaver
B000001SMQ

mononymous

標題は、1年前のメールを整理していたら発見した新語。1年前の新語ということになるが、定着したと判断するにはどれくらいの期間をみておけばいいのだろうか。
mononymousというのは、1語だけの名前を使っている人のこと。例として挙がっているのは

Madonna, Cher, Twiggy or Sting

ということで、けっこう古くからあるんだなと思う。日本では小雪、瑛太、照英とかモデル出身の人が多いけど、英語圏でもモデル出身だと1語名が多いとかいった傾向はあるんだろうか。上の例でモデルというとTwiggyぐらいだ(と思う)けど。

model;Shiho
SHIHO
4789719618

痛い腰・ヒザ・肩は動いて治せ

昨晩、風呂に入っていて子供を湯船から洗い場に出そうと持ち上げようとした瞬間、腰に痛みが爆発した。ぎっくり腰である。一昨年の9月、父の納骨の際に墓石を動かそうとしたときに感じて以来、2回目ということになろうか。その時はわりと軽かったのか、我慢できるくらいの痛みで、すぐ後に自動車で移動もしたし、湿布を貼っておいたら翌日は飛行機と新幹線での移動もできたくらいだったが、今回は痛さのあまり涎まで垂れそうだった。
今日になっても痛みは治まらず、会社は休んで、ふだんは徒歩2分で行ける近所のクリニックに15分かけて歩いて診察を受けに行った。レントゲンを撮ってヤバい病気や怪我じゃなくて普通のぎっくり腰だということを確認して、痛み止めと湿布を処方されて帰ってきた。
標題の朝日新書『痛い腰・ヒザ・肩は動いて治せ』の著者、島田永和氏はスポーツ医学の分野で活躍中の人。ぎっくり腰への対処法は特に書いてなかったが、痛みに対処して筋肉を鍛えるための体操がイラスト入りで紹介されているのがいいね。とりあえず痛みが治まったら体操をすることにする。
しかしせっかく招待券をもらった日本橋三越の仮面ライダー展には行けそうにないのが残念だ。

痛い腰・ヒザ・肩は動いて治せ
島田 永和
4022732199

トップ・レフト

東京でも足立区のベンチで放射能管理区域なみの放射性物質が検出されたとかいう話を見て、この天気のせいもあるけどまたしてもどよーんとした気分に。
さて、黒木亮の著作をちょこちょこ買い集めては解体・スキャンしているが、デビュー作の『トップ・レフト』をまだ買っていなかったことに気づいて角川文庫版を先日入手し、これから解体の作業に入る。この人の著作は、情報量が豊富なところに加えて、ビジネス小説としてはご都合主義的な展開があまりないのも美点だと思うが、デビュー作とあってこの作品では登場人物の生き死にに若干作り物っぽさが感じられた。それでも(不遜な言い方をお許しいただきたいが)なかなか読ませる作品になっているのはさすがだ。
おもしろいと思った英和・和英関連の表現は次の通り。

オリジネート(発掘)

p. 109 国際協調融資の文脈で、動詞 originate に「発掘する」という訳語を当てているのが興味深い。他動詞では「生じさせる」「創始する」という訳語がよく見られるが、必ずしも無から有を作り出すというニュアンスではないと思うので、この表現は我が意を得たりと思ってメモした。しかし多分に比喩的・文脈依存的な要素が大きいと思うので、そのまま英和辞典の訳語として採用するわけにはいかないだろう。

引き出物

p. 362「調印式の引き出物」など。これは英語では単なる gift なのだろうか。

トップ・レフト ウォール街の鷲を撃て (角川文庫)
黒木 亮
4043755023

日本人なら必ず誤訳する英文

2009年2月に出て、最近『〜必ず悪訳する英文』なる続編まで出たベストセラー。
しかしこれ中身はそんなにいいかなあ。ほぼタイトルと著者(売れっ子翻訳家)で売れてるような気がする。書いてある内容は目新しいものじゃなくて辞書や参考書には載っているレベルのものが多い。基礎編の例文なんかは受験参考書とそんなに変わらないような、文法知識の定着のために作った例文であって翻訳されるような実例じゃないみたい。翻訳学校のテキストだからといって最初から実例にぶつかるわけじゃないんだね。
たとえば、p. 85 に

The alarm clock beside his bed (which is hardly made) was broken when he knocked it roughly one morning.

という文が載っていて、訳例ではかっこの中を「ほとんど直すことがない」と訳してあるが、hardly は単独で使うとき程度を表す。この文では頻度の副詞として使っているように見えるんだけど。英文として正しいのか? それにそもそもあんまりかっこいい文じゃないと思う。
越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文 (ディスカヴァー携書)
越前 敏弥
4887596898