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再放送熱烈希望! アストリッドとラファエル

フランスの刑事ドラマ、『アストリッドとラファエル 文書係の事件録』がNHK総合で先日まで放映されていました。10月2日の日曜日にシーズン1の最終回が終わったところです。

英米のドラマはベネディクト・カンバーバッチが出ていた『シャーロック』あたりからたまに見ることはありましたが、フランスの映画ではなくテレビドラマを見たのは初めてかもしれません。

毎回すごく引き込まれて見ていました。

舞台はパリ、ラファエル・コストは警視庁の警視で、犯罪資料局の文書係アストリッド・ニールセンと知り合って捜査への協力を依頼する。アストリッドは自閉症で対人関係に困難を抱えているが、卓越した知識量と論理的思考力を発揮して捜査に大いに貢献する。という設定です。この2人の女性のバディものですね。

犯罪捜査が縦糸とすれば、アストリッドがコスト警視をはじめとする周囲の人々とのつながりを強めていく様子が横糸でしょう。人に触れられることや大きな音が苦手だとか、カフェでも同じ席に座らないと落ち着かないなどこだわりが強いとか、自閉症についてアストリッドの描き方を通じて知ったことはいくつもあります。もちろん、自閉症スペクトラムと言われるように、特徴の現れ方は人それぞれなので、このドラマだけで自閉症をわかった気になってはいけないのでしょうが……。幼少期に周りの子供たちから受けたいじめの様子なども回想シーンで克明に描かれていて、心が痛むところもありました。それでも、アストリッドはチャーミングに描かれているし、物語が進むにつれて彼女と周囲の人々がお互いに理解を深めていくさまには心が温まりました。

毎回ちらっと映るパリの遠景のスカイラインの美しさとか、地下墓地のカタコンブで若者たちがレイヴを楽しむ様子といったパリの模様が垣間見られたのもよかった。

フランスならではの特徴はあったかなと考えてみたのですが、あまり思いつきません。一つ、ラファエルが20年近く前に警察の試験を受けたときの回想シーンがあったのですが、現在の登場人物が少し若作りをして衣装を古くさい感じにしただけみたいな「雑な回想シーン」(Twitterでのどなたかの表現)は近年の英米のドラマにはないおもしろさがありました。

あと本筋とは関係ないところですが、アストリッド・ニールセンという名前は姓名とも北欧系ですよね。アストリッドが通う自閉症者交流の会を主宰するウィリアムも英語の名前だし(フランス語ならギヨーム)、文化的混交が進んでいることを感じました。食料品なども売っている日本雑貨店も出てきます。

というように放送が終了してからも思い返すことの多いドラマでしたが、実は! 最初の頃は録画設定を間違えていて各回の最終盤が見れてないのです。来年の5月にシーズン2が放映されるとのことで楽しみなのですが、ぜひその前に一度シーズン1の再放送をお願いしたい。もともとはAXNミステリーという民間チャンネルで放送されていたもので、NHKが何度も流すのは民業圧迫になってしまうから、見たけりゃ契約しろという話ではありますが。

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