これまで新型コロナウイルスに対する政策は楽観ベースだったように見えましたが、昨日になって唐突に首相が全国の小中高の学校に休校を要請したことで一変しました。
我が家にもその年齢の子供が一人いますが、卒業を控えていろいろ取り組んできたことがすべて中途半端なまま終わってしまいました。その程度で済むのはありがたいことですが、状況によってはそれどころではない家庭も多いと思います。行政にはできるだけの支援をお願いしたいです。
人が多く集まって接触する機会をなるべく減らすという一点においては、学校を閉じるのが効果の割に悪影響が少ないという計算なのでしょう。そうであるならば、全体の方針を発表した段階で文部科学大臣がもっと強く示唆して準備を促すべきだったのではないかとも思います。
方針転換のきっかけがどこにあったのかはわかりませんが、政権中枢に近い近畿大学がいち早く入学式の中止を発表した時点で、4月になっても収束しないという見通しが有力になっていたとは言えるでしょう。何にせよ、これまで都合の悪いことに関しては嘘とごまかしを重ねてきた現政権なので、何が起こっていたのかは推測するしかないのが業腹です。せめて官僚の皆さんは後世の検証に堪えるよう、大事な資料をタイムカプセルに保管しておいてもらいたいですね。
学校が休みになるなら合わせる必要があるということなのか、それほど大規模とはいえないようなイベントも次々に中止になっています。東急文化村の「永遠のソール・ライター」展も、昨日限りで突然会期が終了してしまいました。こんなこともあろうかと、先々週のうちに行っておいたのはこれまた幸運でした。その際にNHKの街頭インタビューを受けて、翌日放送された報道番組の背景パネルに薄く写り込んだのも今となってはいい思い出です。美術展なんて空調もしっかりしていて他人との接触もきわめて限られているので、中止にするほどではないように思いますが……。
民間のスポーツクラブで感染した例は報道されていますが、公共のプールなどは今のところ特に影響を受けてはいないようです。学校が休みになった子供たちが大挙してプールに現れたら感染が広がる可能性はあるとは思いますが。
自分の行動範囲では、公共の図書館が大きな制限を受けています。昨日の昼に千代田区立千代田図書館に行くと、開架の区域が立ち入り禁止になっていて驚きました。「サービスを一部休止しています」という張り紙があり、職員がビラを配っていました。一部とはいっても、資料の閲覧と貸し出し・座席の利用が停止されている(予約資料の貸し出しは停止の対象外です)ので、大部分が利用できないわけです。ちょっと困りましたが、文句を言ってもしょうがないので食堂で安い定食を食べて帰りました。当面の間、少なくとも3月中旬までこの措置は続くようです。さらに延長される可能性もあるでしょう。
その後で、新宿区立図書館はどうかと思って調べると、イベントのみ中止という扱いでした。しかし今日になって四谷図書館に行ってみると、同様の措置が3月1日から31日までとられることが発表されていました。うーむ。杉並区立図書館は今のところイベントが中止になる可能性があると示しているだけですが、同じような策が早晩とられることになるかもしれません。
感染の拡大を防ぐため、JRの駅でも電車になるべく乗らないように(!)時差通勤やテレワークを推奨するアナウンスが流れています。その流れで自転車通勤を推す動きが出てこないかと期待した部分はありましたが、まったくといっていいほど話題に上りませんね。残念です。まあ、満員電車で病気に感染するリスクと自転車通勤に切り替えて交通事故に遭うリスクを比較すれば、後者のほうが大きそうです。
いろいろと不自由なことになっていますが、この春を乗り切ればまた楽しいことが待っていると信じてやり過ごしたいと思います。