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和紅茶を楽しむ

朝食の時に用意する飲み物は、何年も前からずっと紅茶です。学生時代から長くコーヒーを飲んできましたが、手回し式のミルしか持っていなくて、これだと淹れる手間がかかり、特に2杯目が欲しい時にすぐ用意できません。というわけで、子供が産まれたあたりから紅茶に移行しました。

特に銘柄などに詳しいわけではなく、こだわりがあるわけでもありません。土産にもらったものを飲んだり、スーパーで買ったナショナルブランドの茶葉を使ったりしています。

このところ愛飲しているのが、静岡県三島市の勝又苑という農園の商品で、レモングラス入りというものです。

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4分半と長めに蒸らします

以前同市に住んでいた頃、近所に農協の直売所があって勝又苑の紅茶が時々並んでいました。国産の紅茶は当時わりと珍しくて、買って飲んでみたら柔らかく甘みを感じる飲み口で、ファンになりました。三島を離れた今も、何かのついでの折に親戚に頼んで送ってもらったりしています。

紅茶と緑茶はどちらもチャの木の葉から作られますが、その品種は異なります。インドやスリランカなど紅茶の大生産地で栽培されているのはアッサム種で、葉が大きい品種です。味も香りも強く、渋味も強く出ます。緑茶に使われるのは中国種で、葉が小さい品種です。

日本で栽培されているチャの木は大部分が中国種ですが、実は和紅茶の製造には紅茶向きの品種と緑茶向きの品種のどちらも使われています。日本で紅茶向きに開発された品種もあり、その一つ「べにふうき」などは、アレルギーを抑制する効果があるとされるメチル化カテキンを豊富に含むので、花粉症対策商品として粉末化した緑茶としても流通しています。他方、緑茶品種の「やぶきた」などを発酵させて紅茶にしているものもあります。

上述の勝又苑のお茶がどちらの品種を使っているのかは、パッケージを開ける時に気にしてなかったのでわかりません(笑)。今度入手したら改めて調べてみたいと思いますが、考えてみたら他の生産者の商品は飲んだことがないかも。

国産の紅茶づくりは、幕末からすでに始まっていましたが粗悪品が出回って嫌われ衰退、長く途絶えていたのが1990年頃から静岡や鹿児島などでまた復活してきたという経緯をたどっています。「和紅茶」という呼び方は出自がはっきりしていて、2003年に石川県の赤須治郎さんという方が考案したものです。赤須氏が世話人を務める全国地紅茶サミットというイベントは、当初参加者が30程度だったのが、今では600を超える生産者が参加する大きなものになっているそうです。発展中のエネルギーを感じます。

ウイスキーにジャパニーズというジャンルが確立したように、紅茶の世界でも和紅茶が一大勢力として認知される日が来る可能性もあるのではないでしょうか。

参考文献
  • 磯淵猛(2012)『世界の紅茶 400年の歴史と未来』朝日新聞出版
  • BRUTUS 842(2017年3月15日号)