疑問形で書きましたが、答えは一択ですね。冬場は日本酒です。
20代半ばのころ、初めて勤めた会社で上司や先輩などと一緒の宴席に付き合わされた際に、日本酒をしこたま飲んで文字通り死にかけた経験から、日本酒を飲むのは極力避けてきましたが、ここ数年で飲めるようになってきました。
飲めるようになったのは、チェイサーと一緒に飲めばいいんだと知ったことが大きいです。度数の高い酒を口にする合間に水を飲んでアルコールの刺激を薄め、口の中をさっぱりさせるわけですね。日本酒に対しては、「和らぎ水」という呼び方があるそうですが、そういう作法があるなら早く教えてもらいたかったなあ。まあ、若いときはいかにして早く酔うかを競う飲み方をすることが多かったから、身体への負担を軽くする飲み方には意識が向かなかったのも当然ではあります。
で、日本酒を避けるとして食事の際に何を(どんな酒を)飲んでいたかというと、ビールでした。冬でも冷やしたビール。親の世代なんかは冬にビールを飲むなんて考えられないと言いますが、僕らの世代は若いころに冬物語という商品が登場したように、冬でも部屋を暖かくして冷たいビールを飲むことに慣れています。でも、考えてみれば不経済な話だし、家ではそこまで室温を上げないから、温めてあるいは常温で飲む食中酒として何がいいか試行錯誤してきました。
ワインは、味が和食に合わない(ことが多い)。
ウイスキーは風味とアルコール度数が強すぎるし、水割りかお湯割りにするのはもったいない気がする。
焼酎は……まだちゃんと試してません。
結局、正月に屠蘇代わりに日本酒を飲むことが多いので、その流れでうまさを再発見した感じです。
今年はドメーヌ貴という銘柄にしました。けっこう酸味が強くてすっきりした味で、家族にも好評でした。
それがすぐ空いてしまって年明けに買ったのが出羽桜の和醸旨酒という酒です。蔵元のサイトではあまり詳細が記されていませんが、伊勢丹新宿本店の日本酒コーナーで聞いた説明によると、1年前に醸造した純米酒を氷点下貯蔵蔵で熟成させたものだそうです。それも、山田錦から造った酒と雄町から造った酒の2種類をブレンド。山田錦の華やかさと雄町のどっしりしたうまみの両方が楽しめるという。その説明を聞いて、なんという素晴らしい酒、もうこれしかないと思って買ったのでした。エムアイポイントで。
飲んでみると思った以上に素晴らしい酒です。吟醸酒のリンゴっぽい香りが楽しめて、たしかにどっしりしたという形容がぴったりのうまみがあり、なかなか奥行きのある酒だと思いました。数量限定なので、見かけたらすぐ入手することをおすすめします。
日本酒は全国で造られていてその世界はとにかく間口が広いので、探求のしがいがありそうです。しかし健康で過ごせる人生の残り時間を考えると、これから足を踏み入れていくべきかどうか躊躇しますね……。