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50代男性が健康と幸福を追求する日常をつづります

読了本『それからの僕にはマラソンがあった』

数年前まで「暮しの手帖」の編集長を務めていた松浦弥太郎氏がマラソンランナーでもあったことは、この本を新刊書店の棚で見かけて初めて知りました。奥付には2017年12月5日初版第1刷発行とあるので、1年半ほど前に出た本です。

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帯はない方が美しいかな

松浦氏に対しては、独特の端正な美意識を軸としてマルチな活動を続ける才人という印象を持っていますが、この本で示されるランニングに対する姿勢も、やはりその美意識が反映されていました。

もともとスポーツは得意だったようですが、ランニングは「暮しの手帖」の発行という大きな仕事に取り組むうちに帯状疱疹を発症するなど身体の不調が生じ、それをどうにかしようとして始めたとのことで、真剣に取り組んだのは中年以降のことだそうです。

もともと年齢が近いこともありますが、そうした経緯を知って親近感が湧きました。

「10km走ることができればどんな都市でもたいていの場所に行ける」といった考え方なども、僕がランニングを通じて得てきたものに近いと思います。たぶん走る力は全然違いますが……。

松浦氏は特に誰かに教わったりすることなしに、これまで仕事などを通じて自分で築いてきた思考様式と、怪我からの回復過程を通じた考察、さらに他の人の美しいフォームの観察をもとにして走りに対する姿勢を完成させてきました。そういうところも似ていると感じます。ただ、他人に上手に教わることも、身につけておくべき技術だったんだなということもこの年齢になって実感するので、それは善し悪しかなとも思います。

ところで、シューズの選び方について松浦氏は「ふだん自分が履いているスニーカーよりも2サイズぐらい小さいものがジャストのサイズです」(同書p.47)と書いていますが、これはランニングの常識からは外れますね。アシックスのショップで、計測した足長より1センチぐらい大きいのを履くべきだと言われました。つま先には余裕が必要だということで。2サイズも小さいのを履いて長時間走って、つま先が圧迫されて内出血したりしないのでしょうか。驚きです。